[Game Day] 第3Q

「ダラス・カウボーイズの後半最初のドライブはFGフィールドゴール成功。これで32対0となりました。第2クォーターの途中からTDタッチダウンは取れていませんが、FGフィールドゴールは3本連続して成功しています。このゲームでまだ一度もパントを蹴っていません。ジャクソンビルはこのままダラスの攻撃オフェンスを止められないと、どんどん苦しくなります。後半最初のドライブではまたレッドゾーンに入ったんですが、ファンブルでターンオーバー、無得点に終わってしまいました。アンラッキーが続いていますが、このドライブでは何とか点を取らないといけません」

「ファンブルのプレイは、レシーバーがショートパスをキャッチして、すぐタックルを受けて落としたのを、ダラスにリカバーされてしまいました。確保したかどうか微妙で、ジャクソンビルはパス不成功ではないかということでチャレンジしましたが、覆りませんでしたね」

「きわどい判定はどれもダラスに有利になっている感じもしますが、これもモメンタムかもしれません。第3クォーター残り8分31秒、自陣25ヤードからジャクソンビルの攻撃が始まります。第2クォーターの途中から全てショットガン隊形、ノーハドルにしていますが、リズムを作るためでしょうか。レシーバーは右に3人、左に一人。ナイトはワンバンプしてから、中央にアンダーニースパス! 通りましたが、すぐに止められました。2ヤードのゲイン。ターゲットはダレル・フレッチャー」

「ダラスの守備ディフェンスのラッシュはきつくないですから、ナイトは落ち着いてターゲットを探せていますね。ジャクソンビルは時間をかけてもまず点を取ることを目指す方がいいと思います」

2ndセカンドエイト。ノーハドルですぐにセットします。RBランニングバックを置かずエンプティーにして、レシーバーを左に3人、右に二人にしました。左に投げた! 通りました。リッキー・モス! タックルを一人外して、1stファーストダウンを獲得しました。12ヤードのゲイン」

「いいパスですね。モスは一番左にいたんですが、5ヤード走ってから内側に行って、捕ってから縦に上がりました。ダラスはタックルミスです。後半に入ってからちょっとなっている気がしますね」

「捕られても止めるというコンセプトは解りますが、前半のようにもっとアグレッシブに行くべきでしょうか。自陣39ヤードから1stファースト10テン。レシーバーはツーバイツー、スロットの位置に入ったTEタイトエンドローンがゆっくりとモーション。RBランニングバックはフレッチャーが右にいますが、そのフレッチャーにハンドオフしてランプレイ。前にブロックができている! オフタックルから右に走ってサイドラインを出ましたが、8ヤードほど進んだでしょうか」

「ダラスはやはりソフトに守ってますから、こうしたランも出ますね。5ヤード、6ヤード出れば十分ですから、これでいいと思います」

2ndセカンドツー。またノーハドルで早く始めます。さっきと同じ隊形で、またフレッチャーに持たせました。中央を突きましたが、これはゲインできません。1ヤードのロス」

「久々に真ん中を走りましたが、左のDEディフェンスエンドのギルモアが押し込んで、走路ランニングレーンを潰してしまいました。これはファインプレイですね」

「自陣46ヤード、3rdサードスリーになりました。ダラスの守備ディフェンスはショートパスを警戒して上がってきています。レシーバーは左に3人。右はTEタイトエンドにセット。左端のドーキンズはスクリメージから3ヤードほど下がっています。そのドーキンズにラテラルパス。おっとスペシャルプレイです! ドーキンズがパス! ターゲットはフレッチャーですが、これは惜しくも捕れませんでした」

「ここでスペシャルプレイを出してきましたか。まだちょっと早いような気がしますけれども、点差を考えるとここだということなんですかね」

4thフォースダウンになりましたが、どうやらギャンブルをするようです。ナイトはパンターではなくQBクォーターバックの位置に立っています。しかしここはクイックパントもあるでしょうか?」

「どうなんでしょうか。オフサイド狙いかもしれません」

4thフォーススリー、レシーバーは左に3人。一人が右へ速いモーション、しかし元に戻って、スナップを受けて、ナイトは左を見ています。サイドライン際へのパス! キース・ジャクソンに通りました。1stファーストを獲得。敵陣に入りました。タックルを外して、まだ行く! 40ヤードの内側です」

「ジャクソンは外から2番目にいたんですが、真っ直ぐ行って、ダブルムーブの後で外へ行ってキャッチしました。マッチアップがLBラインバッカーなので、横へ振れば必ず空くという判断ですね」

「大きなコンバージョンを成功させました。FGフィールドゴールレンジに入りましたが、ここは是が非でもTDタッチダウンを取りに行くでしょうか?」

「いや、進まなければFGフィールドゴールでもいいと思います。フォーポゼッション差でも、TDタッチダウンの後で全部ツーポイントコンバージョンを成功させるのは難しいですから、時間を使わずにFGフィールドゴールを決められそうなら、それでいいと思います」

「敵陣37ヤードから1stファースト10テン。またエンプティーにして左に二人、右に3人レシーバーがセットしています。ブリッツが入っていますが、早いタイミングのパス! まだジャクソンに通しました。しかしゲインは2ヤード」

「左からブリッツが入ってくるのが見えていて、早く投げたんですけれども、DBディフェンスバックは奥へ釣られずに、ジャクソンの動きをよく見ていました。あるいはダレイマスがブロックすることになっていたのかもしれません」

2ndセカンドエイト。また早くセットします。ツーバイツーですが、左は一人TEタイトエンドにセットしています。オーディブルでプレイを変えました。左サイドライン際、ドーキンズへのパスですが、これは通りません」

CBコーナーバックウィルソンにぴったり付かれていたので、そこへ投げたらインターセプトされると考えて、投げ捨てましたね。時計を止めるためでもあったと思います」

「ここでジャクソンビルはこのドライブ初めてハドルを組みました。落ち着いてやろうということでしょうか」

「重要なコンバージョンですから、あるいはFGフィールドゴールのために3ヤードでも4ヤードでも近付けるプレイをするかもしれません」

3rdサードエイト。ハドルが解けて、左に3人レシーバーがセットしましたが、一人右にモーション。ドーキンズはまた少し下がってセットしています。ナイトはオーディブルで指示を出して、スナップを受けてミドルゾーンを見てますが、おっとスクランブルか?」

「初めて走りましたね!」

「真ん中ががら空きになっていました。ロングゲインになる! スライディングしてダウン、15ヤードのビッグゲインになりました。レッドゾーンに入って1stファーストを獲得。あるいはこれはデザインされたランでしょうか?」

「いや、スクランブルだと思います。ただ、かなり早いタイミングで走るのを決断しましたね。真ん中が空いていたのが見えたんでしょう」

「敵陣ちょうど20ヤードから1stファースト10テン。ここまで来ればジャクソンビルはTDタッチダウンが欲しいところです。ただしミスに気を付けなければなりません」

「はい、それとエンドゾーンが近付いたので、投げ込むエリアも狭くなります。プレイ選択が難しくなりますね」

「このドライブで初めてQBクォーターバックがアンダーセンターにセットしました。両エンドをタイトにして、レシーバーは左右に一人ずつ、TBテールバックの位置にモスが入っています。ドロップバックからそのモスに持たせて、中央を突いて行きます。スクリメージラインで止まったように見えたところから更に進んで3ヤード、4ヤードほどゲインしたでしょうか」

RTライトタックルのパノスがゴリゴリと押し込んだところに付いていきました。ダラスの守備ディフェンスのラッシュはやはりなっていると思います」

「選手が二人倒れていますが、怪我でしょうか?」

「フェイスガードが絡まったみたいですね。たまにこういうことがあります」

「大丈夫だったようです。敵陣16ヤードから2ndセカンドシックス。エンドゾーンにパスを投げるとすればこのタイミングでしょうか?」

「いや、ダラスは後ろを厚く守ると思いますね。ですから裏を掻いて、短いパスでランアフターキャッチを狙うのもいいんじゃないでしょうか」

「ジャクソンビルは先ほどと同じ隊形。ナイトはアンダーセンターにセットしています。またハンドオフ。モスは今度は右オープンを突いて、1stファーストダウンまであと1ヤード、タックルを躱した! 1stファーストダウンを獲得。10ヤードの内側に入りました。エンドゾーンまであと7ヤード」

「タックルされそうになったのを、スティフアームで相手を押して、スピンしてうまく身体を入れ替えましたね。これもファインプレーです」

1stファースト&ゴール、7ヤード。ショットガン隊形に戻しました。両エンドをタイトにして、レシーバーは左右に一人ずつ。ジャクソンビル、TDタッチダウンを取れるでしょうか。右のドーキンズを中央へモーションさせて、ハンドオフしてまたモスに真ん中を突かせました。しかしこれは止まりました。ゲインは1ヤードから2ヤード」

「真ん中から少し左でしたが、そちらの方は最初からあまりランが出ませんね。やはりギルモアが強いからだと思います」

「ショットガン隊形で左にレシーバーが一人、右に二人ですが、今度はRBランニングバックの位置にフレッチャーが入りました。2ndセカンド&ゴール、6ヤード。左のドーキンズがモーションして、ナイトはどこへ投げるか。左に投げました。フレッチャーがキャッチ! タックルを躱して、そのままエンドゾーンへ飛び込みました。TDタッチダウン! ジャクソンビル、第3クォーター残り3分12秒、ようやくワンTDタッチダウン返しました。6対32」

「これはツーポイントをやりますかね。やりませんか」

「ナイトはフィールドに残っていますが、キックの時でも彼はホルダーですので……キッカーのベルデンが出てきました。やはりツーポイントコンバージョン4回というのは難しいですか」

「そうですね。せいぜい2回が限度でしょう。ゴール前ショートヤーデージというのは意外にプレイにバリエーションが少ないですから」

PATポイントアフタータッチダウンはキックで狙います。難なく成功しました。7対32。まだフォーポゼッション差です」

「第4クォーターと合わせて残り18分以上ありますから、逆転は不可能ではないです。ただ次のダラスの攻撃オフェンスを、ジャクソンビルはできるだけ早く止めることですね。FGフィールドゴールでも苦しいです」

「さて、またスタンドのVIPが紹介されています。女優のイライザ・ヒギンズですね。現在はバハマに住んでいるそうです。それからこちらはイタリアの女優のアルビナ・ゴディアでしょうか」

「『ミニミニ大作戦』のリメイク版に出ていた人ですね。3度目くらいのリメイクでしたか。とても綺麗な方です」

「ノルウェイのカタリナ・ソロース。極地探検家。残念ながら資料がありませんが、画面の紹介ではグリーンランドの単独徒歩縦断に成功した方だそうです」

「極地探検家というのは職業なんでしょうか」

「それからこちらの団体は、今年のリオのカーニバルで優勝したサンバスクールの方々だそうです。スクールというのは学校ではなく“群れ”の意味で、要するにサンバチームのことなんですが、チームの象徴である旗を持つ女性をポルタ・バンデイラといいまして、こちらのマヌエラ・オリベイラさんがその役割ということです」

「ダンスと演奏だけかと思ってましたが、そういう役割もあるんですね」

「ジャクソンビルのキックオフでゲームが再開されます。ベルデンはまたエンドゾーンに蹴り込みました。ダラスはリターンしません。タッチバック。自陣25ヤードから開始です。ダラスとしてはとにかく時間を使うか、点を取るか」

「はい、そういう戦略になると思います」

「カウフマンはアンダーセンターにセットしています。レシーバーは左に二人、右に一人。ドロップバックして、左のフラットゾーンへ短いパス。ヒルトンが取って、守備ディフェンスを躱す。あっと、ボールを落としていますか?」

「ジャクソンビルがリカバーしましたよ!」

「テディー・メッセンジャーです。前には誰もいない! エンドゾーンに駆け込みました。ファンブルリカバー・リターンTDタッチダウン!」

「ダラスはパス不成功をアピールしていますが、不成功にはならないでしょうね。ジャクソンビルが同じようなプレイでチャレンジして、失敗してますから。ヒルトンはキャッチした後、振り返って、メッセンジャーが迫っているのでカットを切って躱そうとしました。その前にボールを右脇に抱えようとしたら、お手玉してしまった、というように見えます。つまり確保は成立して、その後のファンブルですから、リターンTDタッチダウンが認められると思います」

「前半はジャクソンビルにアンラッキーなターンオーバーがありましたが、今回はダラスがアンラッキーでした。ジャクソンビルはPATポイントアフタータッチダウンをまたキックで狙います。成功して、14対32。18点差。第3クォーターはまだ3分残っていますから、これはかなり面白くなったのではないでしょうか?」

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