外伝 リューク・キッケルト  

リューク君の話を時系列を見直し外伝として投稿します 

 ●  作者からのお知らせ  ●


 作中出てきたリュークの話を時系列を見直し外伝として新たに投稿します。 


 45歳のおっさんが始まる15年前から話は始まります。

 ひとつ前の話は・・・・あえて残します。


 ●             ●

 やあ、ずいぶん久しぶりだねえ。

 おっさんの事覚えているかい?

 そう、白河小次郎だ。

 今日は久しぶりにこうしてやってきたんだけどね、ふとリューク君って何者だろうと思ってね。

 そうしたら外伝って言うの?

 それでリューク君の事を知っておこうと思ってね。

 おっさんが異世界召喚に巻きこまれた15年前から話が始まるんだ。

 よかったら君達もリューク君の事をもっと知ってやって欲しい。


 ●   ●   ●




【旅立ち――――15歳になったので出発する】



 うっすらと空が明るくなり始めた頃、リュークは目が覚めた。

『ふああああ眠い・・・・』

 そう思うけれど、周囲の人を起こさないようにそっと起き出す。

 外に出て用を足した後、顔を洗いに井戸へ赴く。

 まだ今日は誰も起きていないみたいだ。

 井戸から水を汲む作業をし、水貯めに入れていく。

 そしてコックをひねると水が出てくる。

 急いで顔を洗う。

『冷たい!』

 持ってきた手拭いで水を拭きとると、少し水を飲み準備体操をし、走り出す。

 30分程かけて周囲を一周し、孤児院へと戻る。

 戻ると徐々に人が起きてはじめており、挨拶を行う。


「ヴェニアミンおはよう!」

「おはよう!リュークが一番だったか!」

 ヴェニアミンは僕と同じ15歳。

 僕より頭半分ほど背が高く力持ちの男の子。


「今朝も早いわね!おはよう、リューク。昨日は寝られた?」

「おはよう、ミラベル。いつもと同じでよく寝られたよ。」

 ミラベルも15歳の女の子。

 僕と同じぐらいの背がある。


「皆の衆おはよう!良いケツしてんなあ【サワッ】」

「ギャー!何朝っぱらから人のお尻触っているのよ!相変わらずのいたずらっ娘ねユッテは!」

 ミラベルのおしりを触ったのはユッテ。

 彼女も15歳。


「おはよう・・・・」

「おはようヤーナ。また夜更かしかい?」

 眠そうに歩くのはヤーナ。

 やはり15歳になる女の子。


「おはようございます。」

「おはようアルミノ。」

 アルミノは僕より背が低く、ほっそりしていて女の子のような顔しているけど、れっきとした男の子。

 やはり15歳。


 そうこうしてるうちに、他の子供達も声をかけてくる。

「おはよう!いよいよ今日だって?」

「寂しくなるね!」

 孤児院では15歳になると出て行かなくてはいけない。

 それまでに行き先が決まれば問題ないのだけれど、最後まで残った子供達は15歳になると6人1組で大きな街へ行き、教会だったか寺院だったかで冒険者の登録を行う事になっている。

 何故15歳なのか。

 この世界では早い人では15歳になるとスキルが発現する。

 スキルを確認できるのはある程度大きな街にある教会か寺院、そして殆どはその隣及び同じ建物内に冒険者ギルドが存在する。


 人によっては発現しなかったり、いきなり10個発現する事もあるらしいけれど、1つ発現すれば儲けもの。

 普通に活動すればこの後、数年後にはいくつか発現する。

 発現しても自分のスキルが何か把握していないと使えないから、ほぼ間違いなく全員確認に来る。

 数人で木刀を用いて朝のけいこを行った後、それぞれ桶に水を汲み部屋へ戻り、体を拭く。

 身支度を整のえ食事に行こうとしたら、6歳ぐらいの男の子が泣きながらやってきた。

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