第705話 巫女とおっさん
あれえ?
私の頭の中では手にした珠を寝ている巫女に当てて反応を見て、いけそうなら体の中に入れるかなんかしようと思ってたんだよねえ。
だけどね、現実にはこうだ。
和澄が珠を手にしそのまま実体化をやめ精霊本来の姿になり、そのまま巫女の体の中に入っちゃうとか。
いやそれ危険なんだよ?
だっていくら精霊とはいえ今回のアイテムは神のアイテム・おっさんとデアちゃんとの愛の結晶とも言えなくもない・・・・
まあ女の神の分泌液。
それが珠の正体。
そしてこの珠、相当強力な神力とでも言うのか、意味不明な強力な力を宿してるからさ、扱いには気を付けないといけないんだよ。
下手したら和澄はあのまま取り込まれるか消滅だよ。
まあ結果的に何ともなさそうだから安心したけれどね。
あ、いかんいかん!目の前の・・・・巫女?
この変化は異常だ!
だが幸せそうな顔して寝ている?いやいやこのまま目覚めない可能性もあるわけで。
一応鑑定しよう。そしてやばそうならアルフォンシーナに見てもらおうそれがいいそうしよう今すぐしよう。
で、おっさん目の前の若い女性をじっと見つめる訳なんだが・・・・
うう、最近自分の事を私と思うように心がけているのだが、こうした時はどうしても自分をおっさん呼ばわりしてしまう。
べ、別にやましい事がある訳じゃないからね!
・・・・と言ってみる。
はあ・・・・誰も相手してくれない。おっさん寂しい。
いかん。脱線しすぎた。
で、やましい事はない(と思いたい)おっさんは曇りありすぎる眼で思わず全てを見てしまおうという感じで見てしまった。
【透視はできませんよ?】
誰だ?
ちょっとだけそんな事を考えてたとかは内緒だ。
だが考えても見てくれ。
私には沢山の妻がいるのだよ。
それこそ10人以上。
女の裸なんか見慣れてるから今更だよ!
【ですが男と言うのは目の前に新たな【それ以上は駄目!】・・・・そういう事にしておきましょう。】
これ以上は増やさないよ?
え?何をって?
【残念ですがもう遅いです。彼女も既にこちら側になってしまってます。】
うわ!もしかしなくても珠のせいだよな。
で、おっさん鑑定してみたよ。
すると・・・・ちゃんと生きてた。
そして・・・・本人のプライバシーを尊重し個人情報は記載しないけれど、和佳の突っ込みの通り、彼女は既に人ではなかった・・・・なんてこったい!
だけどあのままでは死んでしまっていたからね。
しかし本人にきちんと確認すべきだった。
だが手遅れだ。
どうすればいいんだ?
どう責任を取るか、そこが重要だ。
だがおっさんがそんな事を思っていると、目の前の巫女さんの父親であるミロスラーフとそのあれ?弟だっけ、兄だっけ?クサーヴァー君が巫女さんを見て泣いてたよ。
そりゃあ死にかけてて能力を使いすぎて体が老化していたのが、急に若返りもう死を心配しなくてよあそうなその姿を見たらねえ。
おっさんこれ幸いと問題を先送りにし、その場を後にしたよ。
家族水入らずに水を差すほどおっさん野暮じゃないからね?
問題の先送りじゃないからね?
こうしてミロスラーフの娘である巫女は・・・・神となった。
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