第701話 この状況をクサーヴァーは我慢を

リュークの首が飛び、戦場になっているシラカワ氏の書斎が破壊されるも静観をしているクサーヴァー。


この後もっととんでもない事が起こるはず。だがそれがないと魔王は死なない。


そう思いつつ気配を押し殺し魔王を監視していく。


しかし魔王は強いな。クサーヴァーがそう思うのも致し方がない。


シラカワ氏の妻ウェンディ女史とナターリヤ女子の2人がかりでも太刀打ちできず、2人は吹き飛んでいく。


まあ予知で知っているんだけど。


そして魔王が

「チェックメイトだ!」そう言っていよいよ魔王が自身の終わりを知らずに実行する行為に及ぶのだが・・・・



「ハハハ!流石に貴様は死んだだろう!」


シラカワ氏の首が宙を舞い、

魔王は自身の勝利を確信したようだが、それは悪手だと言いたい。


「主よ!嘘じゃ!」


確か竜族の女性、カトリーンと言ったかな?

この中ではシラカワ氏に次ぐ実力の持ち主のはず。


馬鹿な魔王だ。


「ハハハハハハ!お前らの主は死んだ!奇跡は起こらぬ!」


そう言って魔王はシラカワ氏が手にしていた石板を取り上げ


「何かしようとしていたらしいが、フン!」



そしてシラカワ氏の手にしていた石板?其れを手に取り破壊!


僕は歓喜した!

予言での一番難しいとされていた石板の破壊。

それがあっさりと達成。


その後シラカワ氏の首と体をくっつけようとアルフォンシーナ様と娘さんのアメリータ女史が蘇生させようとしているけれど、もうすぐだ!


あ、ヨーリスとライナス達がやってきて魔王と戦っているな。


いいぞそのまま時間稼ぎだ!


様子を見ているクサーヴァーだが、予知の通りに先ほど割れた石板の破片が輝きだし、細かな粒子となってシラカワ氏の死体に溶け込んでいき・・・・


魔法陣が出現し、皆死体から離れ・・・・ついにその時が!


「あれ?何でこんな所で寝てたんだ?それと、何皆?っていうか何この壊れた書斎?何があったんだ!」


シラカワ氏はそのまま何事もなかったかのごとく立ち上がり、そんな事を言う。

あ?もしかして記憶が?


アルフォンシーナ様は普段感情を表に出さないお方ですが、今は夫婦で抱き合って・・・・


「確かに貴様の首をはねたはず!なぜ生きておるのだ!」


魔王は空気が読めないのか、そんな事をシラカワ氏に・・・・


シラカワ氏は目の前の何者かが敵と瞬時に理解したのか、収納カバンの中か剣を取り出し構えている。


「なああんた・・・・誰だか知らないけど、書斎をこんなにしたのあんた?」



「・・・・ここが書斎というなら我がやったのだ!それより何故!何故だ!何故貴様が生き・・・・」


魔王は最後まで言い切る事が出来なかった。

何故ならシラカワ氏が剣をふるうのを防ぐ事もできずにその首が宙を舞ったからだ。


こんなに呆気ないのか?



「なあ、何だったんだこいつ?」


アルフォンシーナ様が・・・・


「よかった・・・・旦那さまが・・・生き返って・・・・」



俺はその場を後にし、親父に報告をしに向かった。

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