第606話 クィンシーが戻ってきた

あれから数か月が経ち、おっさんの打った剣、そしてその鞘・・・・それらはまだ譲渡が決まっていないのを除き、精霊剣は一応すべていきわたった。


クィンシーが久しぶりにやってきて・・・・

女を同伴してやがるな?クィンシーの分際で・・・・


「なあクィンシーさんや。」

「あ?何か用?」


「珍しいじゃないか、あれほど女を避けてたのに?」

「ああ、この女性はアマゾネスだよ。何と女しか生まれないらしくてな!まさしく俺にピッタリの相手だからな。」


・・・・以前そんな事を・・・・あれって確かプシーさんが何やら言ってたっけ・・・・

そしてダンジョン攻略中に離脱・・・・


「ああ、うまく出会えたんだな。よかったじゃないか。つうか・・・・おいおい何人連れてきてるんだよ?」


そこには10人ほどのアマゾネス?

「ああ、アマゾネスって特殊でな。強い男がいいらしく、もっぱら俺は周囲で一番強いらしい。だが俺より強いのが居ると言っても信じてもらえなくてな。」


「で、なんでおっさんの所に?勇者パーティのメンバーはクィンシーより強いんじゃなかったか?」

「それはそうだが・・・・シラカワの方が圧倒的に強いじゃないか?」

「・・・・だが断る!」


「おう、まだ何も言っちゃあいないぞ?」

「俺は寝とる趣味はない!」

絶対おっさんの方が強いからと、迫ってくるのが目に見えてるからな。

「そう言うなよ・・・・ちょっとは協力してほしいんだよ・・・・」

「念のために聞くけど、何を協力なのかな?」

「何って・・・・ナニに決まってるじゃないか!」

・・・・やはりそうだ。

「いや、おっさんが求めるのは男児だ!いや女児もいいけどさ!」


すると今まで一言もしゃべらなかった女性・・・・アマゾネス?が口をきく。


「ふうん・・・・見た目はさっぱりだが・・・・あんた実力隠してるね?何だか認識が変だよ?」

「こりゃどうも。念のために聞くけど・・・・クィンシーよりおっさんの方が強かったら、どうすんの?」


すると・・・・

「決まってるじゃないか!その瞬間から、ここが主戦場!」

「いやなんだよ主戦場って?」

「男女のせめぎ合いだ!」

・・・・綺麗な顔して何言ってんだか。

「マスターどうしますか?残念ながら女子しか産めないようですので、貴族としてのマスターの立場では、難しいかと。」

そりゃそうだよな。ジスラン君などが子供をもっととかいうのは、あくまで男児だから。

あ、女の子はね・・・・もっと丁寧にね・・・・良い相手(貴族)を見つけて、本人次第でお付き合いを考えてるそうな・・・・まだ小さいからね、そんなのはまだまだ先だけど。



「まあそういう訳で、クィンシーには是非とも頑張ってもらいたいからね。エルフの秘薬でも使って、励んでくれたまえ!」

おっさんアマゾネスに秘薬をいくつか・・・・

「あんたらクィンシーお相手に何人で挑むのか知らんが、100人ぐらいまでなら問題ないさ。」

「そうか。まあ残念だがあんたが貴族なら仕方ない。気が変われば言ってくれ。強い種は是非とも欲しい所だからな。」

・・・・男は種馬か?

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