第607話 クィンシーに渡し忘れてたな

「そうだクィンシー、こいつを渡しとかないと。」

「あ?なんかくれるのか?」

おっさんそう言ってクィンシーに精霊剣を二振り手渡したよ。

「げ!なんつうもん渡すんだよ?今使ってる剣も大概だが・・・・これは規格外の大概だな。」

「その剣には鞘も含め、4体の精霊が収まってる。それぞれ顕在化もできるが・・・・どうする?」

クィンシーは和佳をじっと見つめる。

「あんた精霊?」

「ええクィンシーさま。私精霊であるとともに、マスター・・・・白河小次郎の妻でもあります。」

「・・・・うわ、あんた精霊にまで手を出したのかよ。しかし、あの誰だっけ?カナエとか言う女と雰囲気?全体的になんつうか似てるな?顔も体型も似てねえが・・・・そうだ、肌の色と顔全体の色だ!あの女と同じ・・・・あれも精霊だったのか?」

「いやいや香苗ちゃんはれっきとした日本人だよ!」

「ふーん・・・・シラカワとも似てるな。あんたの国の女はこんな姿なのか?」

「うん?ああ髪の毛も黒だし、瞳も黒。皮膚は・・・・少し和佳の方が白いが、まあこんな感じだな。ちなみに色んな毛も黒いぞ?」


「色んな毛?」

「陰毛とか・・・・」

「なあそれ言う必要あるのか?」

「もしかして知りたいかと思ったんだけど?」

「その和佳とか言う精霊のを見せてくれるのか?」

「絶対見せない!」

「まあ冗談だ。人の女に興味はねえし。それよりだな・・・・今不安定になってるの知ってっか?」

「へ?何が不安定なんだ?」

「この世界だな。」

「そうなのか?最近精霊の事にかかりっきりだったしな。あ、和佳、どうなんだ?」

「そうですね、特に力のある精霊は不安を感じ取っているようで、それもあってマスターの所に集まるのかもしれませんね。少々調べた方がよろしいでしょうか?」

おっさんに聞かれてもな。

「なあクィンシー、どうなんだ?」

「ああ・・・・」なんでもあのクチタとかいうやつの近くにかどうか知らねえが、あいつをミスって召喚した女神が不在らしい。

うん?なんだそりゃ?

確かに最近デアが忙しくしているようだが、それと関係が。

「おっさんにも少し思う所があるな。少し確認するよ。」

「まあそうしてくれ。俺はこの後こいつらとともにダンジョン潜ったりしてるからさ。」

「ああ、まあ気を付けて・・・・って顕在化しなくていいのか?」

「・・・・女は間に合ってるがな。」

すると和佳が・・・・

「そうおっしゃらずに、常日頃は剣に収まっておりますので・・・・緊急事態時に対処できるように、精霊の顕在化はしておいた方がよろしいと思いますわ。」

「・・・・わかった、だがどうしたらいいんだ?」

「精霊は”白河小次郎”をアークマスターと認識しておりますので、クィンシーさまをマスターと認識してもらうよう働きかけますので、それで、その剣をクィンシーさまとマスターでお持ち下さい。」


「なんでそんな事を?」

「精霊はマスターの魅力で集まっております。ですが今後はマスターのそばを離れる必要がありますので・・・・精霊のルールなので、話せば長くなりますが・・・・」

「いやなんとなくわかった、いいようにしてくれ。」

「はい・・・・では・・・・そうですわ・・・・・終わりました。ただ、すぐに姿を現しませんので、1日程経ちましたら、一度出現させて下さい。」


「・・・・わかった・・・・じゃあシラカワ、これは貰っとくぞ?」

「ああ、大事に使ってくれよな。」




そのまま去るクィンシーだが・・・・

なんだこれ?シラカワの打った剣なのにおっさんソードじゃないじゃないか!


とか聞こえたけどまあ無視だね。

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