第585話 エルフの出産

これはどうなってるんだ?


ファートとサージュのいる所に、分娩台らしきものがせり出し、出産できるような、おっさんの知ってる方法だよ?

一般の産科でする方法。


だけど、先生がいない?

というか助産師?ここではどういうか知らないけれど・・・・


誰もいない。

しかもおっさん、2人の手を握ってるからね、何もできないよ。

そう思ったんだけどね、和佳が何もかも仕切って、他の精霊が、今おっさんの剣に入り込んでる精霊が、2人の出産の色々をやってるよ?


おっさん、妻の出産に立ち会ってるからわかるけど、今ここには出産を助ける人がいないんだよ?なんで?

こんな設備があるなら、しかも出産を目前に控えていえうの人がいるんだよ?

おかしいでしょ?


おっさんのその異変に気が付いた和佳が、おっさんに語り掛けてくるんだけど。

「マスターはエルフの出産は初めてでしょうか?」

「あ、もちろん初めてだよ?うん、ここにしかエルフの知り合いはいないからね。」

「そうですか・・・・あ、少し間違えました。エルフのが初めてですと、さらに上位のエルフのは・・・・」

「ある訳ないよね?ファートとサージュの事言ってる?」

「ええ・・・・2人の事は精霊エルフと、我々は呼んでいます。2人はある意味で精霊ですので、私達で手助けができるのですよ。」

・・・・よくわからん・・・・

そして・・・・今気が付いたけど、2人の様子が変だ。それに、手が・・・・ん?外せない?

おっさんが違和感があって・・・・、握ってる手を放しはしないけど、握りなおしたりもできない・・・・


「始まりましたわ。お2人様とマスターの間にパスがつながりました。」

え?何?パスってどういう事?

「だ・・・・ダーリン・・・・」

苦しそうにファートがおっさんを呼ぶ。

「ねえ、もっと強く握って?」

喜怒哀楽が得意ではないサージュまでおっさんに要望を。

「ここにいるから。このまま手を握っていればいいのか?」


「そう、そのままでお願い・・・・って・・・・ダーリンを感じる!あああああ!」

あ、破水した・・・・

「怖い、怖い助けて・・・・」

・・・・日頃そんな事は・・・・少なくともおっさんには決してこんな表情を見せたことのないサージュが・・・・

おっさん強く手を握ると、何かがサージュに流れる・・・・

続いてファートまで。


そしてこの後は和佳が全部するみたい。

「ファート様、サージュ様、もっとしっかり!もうすぐですよ?マスターのすべてが流れてますから!」

うん?何だ全てって?


そうこうしているうちに、おっさんの中から何かが出ていく感覚が・・・・

どれだけ時間が経ったのかわからないけど、今現在ファートが先にいきんでいる。

そして・・・・

生まれたよ。

すぐに他の精霊が運んでいく。

そしてすぐに今度はサージュが。

・・・・

こちらも無事終わったよ。


「ダーリン・・・・ありがとう・・・・どうしてここまで信用してくれるのかわからないけれど・・・・ダーリンを選んでよかった・・・・」

なんの事だ?

「色々隠しながらここまで来たのに、一度も裏切らなかった。そんな小次郎が好き。」


・・・・らしくない事を言っているな。

そしておっさんもなんだか疲れた・・・・

っして、疲れすぎたか?

何せファートとサージュが光り輝き・・・・よくわからないが光の珠になっていくんだよ。

え?何?ちょっと?子供を産んだら消えるとか?

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