第586話 ファートとサージュの真の能力

「ごめんねダーリン。これが私のとっておきの能力。」

ファートがそんな事を言う。

うん?何を言ってるんだ?さっき2人が光の珠に・・・・・なってないね?

「今3人で精霊の世界にいる。」

サージュが変な事を言う。


「あまり使わないから、使い方すっかり忘れちゃってて、出産したら思い出したのよ。」

「おいおいいのかそんなので、というか2人とも出産したばかりじゃないのか?」

「それは気にしなくていい。それより、小次郎、今から小次郎を治す。」

・・・・何言ってるの?

「ダーリンの頭の中、ぐちゃぐちゃなのよね?」

「ここでなら治す事ができる。」


・・・・まあ今更なんだけどね。


あれだよな、おっさん日本に妻と子供がいるのに、こっちで女と好き勝手やっちゃった・・・・しかもそれを何とも思わなくなってるからね・・・・


「ああ、その事だけどね、治療しないといけないのか?」

「え?どうして?」

「もう今更なんだよね。向こうに戻っても、もうおっさんの居場所はないんだよ・・・・ならせめてここでは今まで通りに暮らしたくってね。」

すると、2人は固まった・・・・


「別にこのままでもいい。」


「じゃあ帰る?」

「せっかくの機会だが、そのすまんね。戻ろうか。」


・・・・

・・・

・・


「マスター・・・・そのままですね・・・・」

和佳が出迎えてくれた。


「ああ、何だか治療してくれるって話だったみたいだけどね、おっさんこのままでいいって言ったんだよ。」

「そうですか・・・・ですが、それが自然と出た結論なのでしょうが、今後のマスターの人生を左右する出来事だったのですよ。あえて言いませんでしたが・・・・そうですか、そのまま・・・・神との戦いには、このままの方がいいかもしれませんわね・・・・」

うん?今更っと変な事を言った?


今ファートとサージュは、産まれたばかりの赤ちゃんと一緒にいるようだ。

何やらする事があるらしく、呼ぶまで入ってくるなと。


あ、ちなみに2人とも男の子を産んだよ。


・・・・

・・・

・・


しばらくたって、おっさんは和佳と共に2人の所へ行ったよ。


「ダーリン・・・・真面目な話だから、聞いてほしいのだけど・・・・」

何を改まって?

「あと20年ほどすれば、この子達は小次郎の力になる。他の子供と違って、この子達は連れて行って。」

・・・・何の事だ?


「なあ、何言ってるかわからないんだけど。」


「今はまだその時じゃないから、わからなくていいかな?」

「デアの子と同様、小次郎の助けになる。他の子は駄目。現世に留めてあげて。小次郎の妻のうち何人かは一緒に来るかもだけど。」

「なあ、何の事言ってるんだ?ちなみにデアとはまだそんな関係じゃないよ?何せ処女じゃないと都合が悪いからね。」

おっさんまだデアとはしてないんだよね。

「マスター、こう言っては何ですが・・・・いえ、今はやめておきましょう・・・・何せ、他のエルフもそろそろ出産ですからね?」


あ!忘れてた・・・・

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