第570話 ドワーフ、シラカワ領へ

「じゃあゲートを設置するから、おっさんの領地に来てくれるメンバーは、順番でゲート使って・・・・」


誰も聞いていない。何で!


「マスター、私が・・・・あの、ドワーフの皆様、我がマスター、白河小次郎様は、新たな炉を所望されています。ちなみにその炉で作成するのは、精霊の仮宿たる”精霊剣”とその他色々ですので、結果皆様の頑張りが、そのまま精霊の幸せに繋がりますので、どうぞよろしくお願い致します。」


うわ・・・・・見事だ・・・・さすがは秘書。

「精霊様、頭をお上げ下さい。」

「では・・・・お願いしてもよろしいですわね?」

「任せて下さい・・・・おいてめえ、精霊さまの仮宿なんぞ打てるのか、ああ?それと・・・・俺らに炉を造ってもらおうなんぞ、てめえ何様のつもりだ、ああ?」


・・・・なんで突っかかってくるんだ?おっさんまた異世界売買で酒を購入・・・・それを親方の目の前にちらつかせる。


フォーコ ●ィ ロシア

アルコール度数70


ラッテ・●ィ・スゥォチェラ

アルコール度数75


ジャック◆ナウブラック


アルコール度数85


ゴッチェ インペリアル


アルコール度数92


まあこんな感じ?

海外のをチョイスしてみました。

というかこんなの飲めるのか?

確実に火が出るなこれ。


親方はその酒を見て・・・・


「おい、ちょっと飲ませろ!」

「あの、もう少し丁寧にしゃべってくれるなら、飲んでもいいけど。」

「ひ・・・・卑怯な!酒で態度を改めろと?で、その酒はそれだけの価値があるんだろうな?」


「・・・・それは分からないかな。酒の味を分かってくれる人にだけ出す、とっておきだからね。」

そう言いつつ、おっさん一本開ける。

うわ・・・・なんつーにおいだ。


そのにおいを親方ももろにかいだわけで・・・・

「う・・・・なんじゃその濃厚なにおいは!我らの火酒よりうまいのか?」

「さあ?飲んだ事ないからね・・・・まあ、ちょっと飲んで、それからだね・・・・」


おっさん小さなめのコップに酒を注ぎ、飲むふりを。いや、間違ってもこんなの飲まんよ?ひっくり返るよ。


そして親方がおっさんの腕をガシっとつかむ。いや、どれだけ凄い力してんのよ?

「う・・・・わかった・・・・わかったから、少し飲ませろ!」

あんまり態度改まってないよね?まあいいかな・・・・

おっさんカップに注いでいたのを、親方に渡す。

そして親方、何を思ったのか一気に飲み干す。

あ・・・・原液あんなに飲んじゃったら・・・・

親方、何か・・・・うわ、顔色が・・・・

「なんじゃこれは!我らの火酒より・・・・きつい!わしが酒をきつい・・・・だと!信じられぬ!いまだかつてきついと思うた酒はないのじゃ!それが・・・・う・・・・」


あ、倒れた。流石に・・・・ああ、しまった!これ秘書さんに渡したスピ▲タス・96度じゃないか!

そりゃあ倒れるわな。


だが、むくっと起き上がる親方。

「・・・・其方、名は?」

・・・・秘書さん言ってたよね?覚えてない?

「白河小次郎だよ。」

「うむ。アイ分かった。今後はシラカワと呼ぼう、わが友よ!」

・・・・なんですかね、いきなり友になったよ?

「おいお前らも景気付けに飲んどけ!」


ああ・・・・親方、おっさんから瓶を分捕って、みんな・・・・みんなと言ってもドワーフだけどね・・・・に注ぎ始めた。あ、皆マイカップ持ってるのね・・・・


で、次々飲んではひっくり返っている。

そして暫くして復活。


そのうちの誰かが

「炉を造ればまた貰えるのだろうか?」

そう聞いてくるので・・・・

「もう少し違う酒なら、随時飲んでもいいよ?但し、炉を造るのに支障をきたさなければね。」

「む!我々ドワーフが、酒で仕事に支障をきたすなぞあり得ぬ!」


なんか怒ってる・・・・?

「まあよいわ。では皆参ろう!」


大丈夫か?千鳥足だぞ?


暫くして炉を造る(はず)のメンバーはみなゲートでシラカワ領へ向かったのだった・・・・

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