第567話 ドワーフの長・ゲロルト・ハス親方

・・・・いきなり帰れか・・・・帰るか。

「残念だね・・・・縁が無かったのかい?」


最初に言い出しっぺの秘書さん精霊に尋ねる。

「申し訳ございません。話せばわかるお方と思いましたが。」


「さっさと失せろ!」


うわ・・・・取り付く島もないとはこの事ですね。

「ええと・・・・あの体型、姿は・・・・ドワーフですか?」

「ええ、ゲロルト・ハス親方ですわ。ここのドワーフの集落の長であり、色々なものを作る達人ですわ。」

「そうか・・・・まあ仕方ない、出直そう。あ、これ渡してもらっていい?お騒がせをしたお詫びにお酒でも。」

そう言って異世界売買で、きつめの酒を・・・・

スピ▼タス

テ◇ーラ

ア●サン


この辺りを購入し、秘書さん精霊に差し出す。

「こ・・・・これは・・・・」


ドワーフと言えば兎に角酒!

のイメージがあるから渡してみようと。


「一応渡してみますわ。」


そう言って秘書さんがわめいている親方?の元へ向かい、手渡す。

受け取った酒を投げつけようとした親方の動きが突然止まる。

何せあのアルコール度数だからね、製造した時に多分酒の臭いが瓶についてるんだろうね。

そのにおいをかぎ分けたのか・・・

まあいいや。時間の無駄だったね。

おっさん帰り支度を始める。


秘書さんが戻ってきたので、船を出そうとしたら・・・・


「おいこら待てや!何だこれは!こんなの置いてどうする気だ!おい待て!」


親方?が追いかけてきた。


「いえ、話を聞いてもらえなさそうなんで、それ置いて帰りますよ。では!」


おっさんさっさと引き上げようとしたんだが、何故か食い下がってくる。


「おい手前ら、あの船を行かせるな!」


するとわらわらとずんぐりむっくりのひげもじゃが大量に現れ、船によじ登り、飛ぶのを阻止してくる。


「こんなの置いてかれてはいさようならでは、ゲロルト・ハスの名が廃るってなもんだ!」


おっさんどうするか悩んだ・・・・めんどくせえ!


「マスター、今なら話を聞いてくれそうですわ。」

「いやいいいよ、面倒だし。いきなり帰れだからね、帰ろう。そして、炉は・・・・まあ何とかしてみせるよ。」


聞こえていたのか親方が

「おいこら!炉がどうのこうのと聞こえたが!おい!聞いてるのか!降りやがれ!」


・・・・このまま飛んでもずんぐりがへばりついてそうだしな・・・・

「よし秘書さん、もう一度話してきて。これ渡して。さっさと帰ろう・・・・」


今度は日本酒。越後☆士 さ★らい

リキュールに分類される?


秘書さんが手渡しをし・・・・あ、土下座始めたぞ?何で?

秘書さん意気揚々と戻ってきたよ。

「お役に立てましたでしょうか?マスター、上手く行きましたよ!あの偏屈じじ・・・・親方は、正面から交渉しても話を聞いてくれませんの。マスターをだます形になってしまい申し訳ありません。」


えっと・・・・おっさん酒出しただけだよ?

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