第491話 73層は、毛をドロップする?

あのつぶらな瞳に見つめられると・・・・

と思ったんだけど、ウェンディ容赦ない。

「ちまちましないで!一度仕留めたら?ここはダンジョンだし?」


そう言って首を刎ねちゃったよ・・・・

で・・・・毛が沢山ドロップしてた・・・・


ドロップか・・・・じゃあ毛を刈り取るんじゃないのね?


おっさん心を鬼にしながら・・・・アルパカをどんどん刈っていくんだけど・・・・

何か少し違うのがいる。

何だあれ?

同じラクダっぽい?鹿っぽくも見える・・・・種類なんだけど・・・・


おっさんが近付くと逃げる。

うん?何で逃げる?おっさんの気配が怪しいのか?それと共に・・・・これは仕留めたほうがいいと何かが訴える。

おっさん剣を投げつけたよ。無論首が飛ぶ。

すまんなあ・・・・

そう思ってると、おお、毛をドロップしたぞ?だけど何か違う・・・・手触り?

なんかもう・・・・凄いの一言?何このきめ細かさ?鑑定してみると・・・・

”ヴィキューナの毛”

と出た。

あれ?何だっけ?

思い出せないなあ・・・・

そう思ってると・・・・

ふと昔、紳士服の仕立ての漫画を読んでいた時に、そう言えば何だか高級生地?が出てきたなあと・・・・あ!

これは・・・・幻の生地になるあの・・・・スーツ1着数百万は下らないと言う・・・・ヴィキューナですか!

ううぉ!!!!!


あ、確か10頭ぐらいの群れなんじゃないのか?

そう思ってドロップアイテムを回収しつつ、周りを見ると・・・・いる!

何頭か!

これは・・・・狩るしかない!

おっさん素早い動きで・・・・我ながらこんなに素早く動けるもんなのかと感心するぐらい、素早く動いたよ!


もうね、風の如き素早さであっという間に狩り尽くしたよ!

アルパカは毛が白い?ヴィキューナは茶色っぽい?

区別付くけど・・・・周りは魔獣なのかな?皆白いな・・・・

もしかしてレアなの?


おっさん毛を回収しつつ、見るけど他に居ない。

ま・・・・これだけあれば、当面いいだろ・・・・だが、どうやって生地にするかだよね・・・・

日本に戻り、探すか・・・・この異世界でそんな高級生地できるのか・・・・

まあ、これは楽しみだなあ・・・・


おっさんニマニマしてたのがばれたのか、皇帝がやって来た。

「おいシラカワ、何か隠してねえか?」


そう言ってきたが・・・・隠したわけじゃないからね!


「これは渡さないよ!おっさんのだよ!駄目駄目!皇帝でも駄目!」


「・・・・何を見つけたんだ!見せろ!」

そう言われ・・・・あ、まだ回収終ってないのが・・・・

おっさんの視線の先を察したのか、皇帝が素早く動く。何・・・・?

おっさんより早く動けるだと・・・・?


そして拾われてしまった・・・・


「・・・・おい・・・・何だこれ・・・・ヴィキューナじゃねえのか?」


この異世界でも普通に生息してるの?

何で知ってるんだよ・・・・」


「あほか!この国でな・・・・1か所だけヴィキューナが生息してる場所があんだよ!かなりの高所だから、俺は行った事ねえが・・・・数10匹しか生息してねえからな・・・・なかなか毛を揃えられねえんだよ!」


・・・・む・・・・そうなのか・・・・


「それが・・・・この階層に生息しているとか・・・・今後はここにゲートを置いて、定期的に狩るぞ!」


「おおーい!何決めちゃってるんだよ!」


「皇帝の命令だ!早くゲート設置しろ!」


「・・・・なあ・・・・多分普通の人間だと、此処にやってきても見つからないと思うぞ?」


「何?どういう事だ!」


「だってさ・・・・多分生息してた・・・・というか、居たの狩り尽くした・・・・それと、スキルが無いと、見つけられないんじゃない?」


おっさんが思うに、同じダンジョンでも、同じように探索しても、何かしら見つける事ができる奴と、見つけられない奴っているんだよ。レベルやスキルの差と思ってるんだけどね。


「くっ・・・そうだ・・・・あの果物の所にいた女ども!あいつらの中で特に採取スキルの長けた奴に探させれば、あるいは・・・・」


「採取スキルしかない、戦闘スキルのない女性にそんなのやらせるなよ?」


「ぐ・・・・確かに・・・・万が一暴れられでもしたらな・・・・」


「あまり変な事考えるなよ、皇帝さんよ?」


「ここは・・・戦闘スキルもちに、採取スキル極めてもらうしかねえな!」


「それ無理だろ!絶対覚えないと思うぞ?」

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