第448話 出来る限りの事をしたよ

口田さんが帰りの準備をしているので・・・そろそろですか。声をかけておきましょうか。


「ああ、すっかり元気になったようだねえ。うん、心配は・・・・もういいようだね。」


少し様子を見ると、憑き物が落ちたかのような、いい表情をしています。


「ありがとうございます!何か憑き物が落ちたみたいな、新たな自分になったような気がします!」


ああ、ここにやってきた時とは大違いだね。いい表情です。ですが・・・・


「うん、君は肉体的には問題ないが、精神的にね・・・・まあこれは自分が言えた事じゃあないんだけども。」


未だ完治してませんね。というかこれは何か根本的な問題でしょうか?


「そんな・・・・」


項垂れる口田さん。ですが、変に嘘を言ってもね。


「あ、そうだ、僕からアドバイスがあってね。君の事だから、余計なお節介かもしれないけれど、以前ここにやってきた女性達・・・・彼女達を満足させてあげないと。今の君なら心配ないだろう。」


まあ、干からびないようにね、ほどほどだよ?


「へ?えーどういう意味で・・・・?」


口田さん、自分がモテるってわかってないよね?


「色んな意味だよ?戻ったら思いっきり抱きしめてあげなさい。そして・・・・欲望のままに行動すべき!ですよ。」


きっと向こうはしびれを切らせて待ってますからね?


「大丈夫でしょうか?」


そんなに心配そうな顔をしなくても・・・・


「ああ、問題ないねえ(多分だけど・・・・)。」


「わかりました!今まで分かってはいたんです。彼女達の好意に。だけど、自分は彼女達より劣ってるんじゃないか、嫌われるんじゃないか、そもそも好かれるはずがない、と思い込んでしまっていて・・・・」


「うん、精神的に参ってるとね、どんどん負の感情が増えていってしまうんだよね。僕もそれで随分苦労したよ。ああ、それとね・・・・折角スキルが増えたんだ、彼女達に指輪をプレゼントしてはどうかな?勿論自作の、だよ?」


こう言うのはイベントが無いとなかなか・・・・指輪なら、皆喜ぶでしょ?日本人もそうだけど、異世界の女性もきっと喜ぶよ?あ、それと今回の目玉なのですけどね・・・・おっさんのとっておき。


「あ、最後にこれ餞別。有効活用してほしい。」


ここでおっさん、クルーザを渡す事にしたよ。

ちょっと頑張って、風呂や寝室が凄い事になってるんだよ?

元々クルーザーってシャワーはあるけど、浴槽が無いんだよね。あってもやたらデカすぎるクルーザー。

デカすぎると扱いに困るからね。


で、ここにエスコートされちゃったら、どんな女も即落ちる・・・はず?


「それ空を走るんだ、飛ぶと言うべき?」


「え!マジっすか!」


あ、驚いてるね?


口田さんは、早速クルーザーを確認していて。その間に精霊に声を。


「ちょといいかい、僕っ娘さん?」


「ん?なんだい?」


「君、このクルーザー操縦できるよね?」


「ええとね・・・これ精霊のシステム使ってるんだね?凄い事するね?もちろんできるよ?」


「まあ、彼はあんなだからね・・・色々してあげてよ。その内君のターンもやって来るはずだから、ロンダーヴさん。」


「ありがとおじさん?あれ?もしかしておじさんもう歳を取る事ないのかな?なんか既にこっち側に来ちゃってる?」


「・・・まあ、当たってるような外れてるような?恐らく口田さんもこっち側に来るだろうからね・・・・その時は、しっかりサポートしてあげてほしいかな。どう、頼めるかい?」


おっさんこの精霊、ロンダーヴにお願いをしたよ。

きっと後におっさんにも関わってきそうだからね。


「・・・まあ、そう言う事になっちゃたら、考えとくよ。」


「すまんね・・・あ、出てきた。」


興奮している口田さん。

今後は沢山嫁さんゲットしてくれたまえ!何てね。


こうして彼は去っていきました。さて・・・・何か忘れてるような気がしますが、何だったっけ?


因みに忘れてるのは、皇帝に関して。

おっさん暫く忘れちゃってたよ。てへぺろ( ´艸`)


え?きもい?すまんね・・・・

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