第432話 まだ自身に起こった事が理解できていないようです

おっさんも血の涙を流しつつ・・・・心を鬼にして、おっさんがリュークを、エルヴィーラがエリザヴェータをそれぞれ拘束し、引きはがす。


「リューク、少し離れていてくれ・・・・そして、エリザヴェータ女史を調べさせてくれ。あ、アルフォンシーナに確認してもらうがね。」


おっさんそう言いつつ、エリザヴェータ女史を見る。


・・・・「お姉さまあ!!」


エルヴィーラが泣きながらエリザヴェータ女史を抱きしめていた。


「ええと・・・・エルヴィーラなんだよね?」


「ええ・・・・ええ・・・そうです・・・・」


「そのごめんね?まだ理解できなくて・・・・だって、エルヴィーラちゃんはまだ小さかったんですもの・・・・それが、今目の前にいるのは立派な大人・・・・」


ああ、もうかれこれ・・・・20年前だっけ?25年?30年?忘れたけど・・・・


その間彼女はダンジョンに、自身の意思とは無関係でいた訳で。

リューク君もだね。

彼はどうやってか、彼女より先に、そう5年前にダンジョンを脱出したらしい。

未だどうやってか分からないみたいだけどね。


リューク君は2度ほど記憶を失ったようだけど・・・・それを含め未だいろいろ分らない事だらけだ。


それにこの目の前にいるエリザヴェータ女史・・・・

元々18歳だったらしい・・・・リューク君は17歳・・・・ダンジョンで元勇者に奈落の底へデュラハンの鎧を装着させられ・・・・突き落とされた時の年齢が。


今目の前の女性は、見た目18歳のままみたい・・・・リューク君は20代前半?まあ、22歳なのだろう。


そんな事を思いながら見ていると、いつの間にかアルフォンシーナがやってきて


「旦那さま・・・・エリザヴェータ様の事ですが・・・・」


「ああ、うん、どうなんだい?」

アルフォンシーナは何か言いたそうにしているので、そのまま喋ってもらう事に。

「彼女はどうやら、あの時の事を覚えていない様子。あの時は私もあの場に居ましたからね・・・・」


「ああ、ごめんあまり思い出したくないよね・・・・」


「無用なお気遣いは不要ですわ。今は旦那さまに出会えて幸せですから。リューク君も謎ですが、多少記憶におかしな所が見られます。ですが、それ以外は・・・・恐らく何ともないでしょう。呪いも解呪できましたし。ただ・・・・あの時私ははっきりと見てましたが・・・・エリザヴェータ様も、リューク君も確かに首を刎ねられたのです。そして、そのまま動き出し・・・・」


やはり何かスキルを得たのかな?魔王がおっさんの所に乱入してきた時も、確か首を撥ねられたって事だしな・・・・

注)おっさんはあの時の記憶は、無いです。命のバックアップを取った時の状態に戻ってしまったので。

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