第431話 皇帝も、エルヴィーラも砂糖を吐いた・・・・
う・・・
あれは・・・リューク君とエリザヴェータ女史、2人は何処からどう見てもアツアツのカップルだった。
皇帝なんかは血の涙を流してたぞ。
エルヴィーラも反応が変だ。
憧れのはずの叔母さま。それが今、自身よりはるかに若い姿で、若い男性といちゃついているのだ。
皇帝共々砂糖を吐いていた・・・・
いや、正確には一緒に飲んでいたコーヒーを・・・・こぼしてるんだが・・・・
まあ、後で掃除させとこう。
「皇帝陛下、シラカワ侯爵さま、エルヴィーラ様、宜しいでしょうか?」
リューク君が部屋にやってきて、おっさん達3人を確認し、そう聞いてくる・・・・
隣にはエリザヴェータ女史がべったりだ。
「・・・・ああ・・・・まあ座れ・・・・」
震える声で、皇帝がそう言う。
やがて2人は各々空いている場所へ・・・・と言っても2人一緒に、勿論隣にだが・・・・座る。
皇帝が口を利く。
「エリザヴェータ・・・・俺がわかるか?」
皇帝は妹にそう聞く。
「ええとその・・・・本当にお兄様なのでしょうか?私が知っているお兄様はもっと若かったのですが?」
エリザヴェータ女史がそう言う。あ、そうだよな・・・・もう20年以上経つんだっけ?
「エリザヴェータ・・・・仕方ないだろう?だってよ・・・・あれから・・・お前が行方不明になってからもう20年以上経ったんだ・・・・おそらくあの時エリザヴェータが知ってる連中で、殆ど年を取ってねえのは、そのリュークぐらいだろう。エルフやら年を取りにくい種族の知り合い、いたか?」
血の涙を流したまま何とかかろうじて言い切る皇帝。
「・・・・本当なのですね・・・・あの小さかったエルヴィーラが・・・私より年上ですし・・・・リュークに至っても、私より年下だったはずですが、どう見ても私より年上・・・・私は18ですが、今リュークは22でした?」
「そうですよ。僕もあのダンジョンにずっといたようで、脱出できたのが5年前だから・・・・」
「そうなのよね。私の方が一つ年上のお姉さん、だったのが・・・・4つも年下になっちゃったのよね。そんな私は嫌い?」
う・・・・そう言うのは2人の時に言ってほしい・・・・
「何を言ってるんだいエリザヴェータ・・・・年下だろうと、年上だろうとエリザヴェータはエリザヴェータじゃないか・・・僕の大好きなエリザヴェータ・・・・」
「嬉しいリューク!」
抱きしめあう2人。
突然机がひっくり返り・・・・
「が―――!やってられっかああ!俺は帰る!今すぐ帰る!リュークのあほおおお!」
血の涙を流しながら走って逃げていったよ、皇帝は・・・・
「リューク君・・・もう少し時と場合をだね・・・・」
ああ・・・聞いちゃあいないよ・・・・
残ったおっさんとエルヴィーラ、2人してため息をついた。
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