第382話 魔王の思念体
おっさん、一度異世界に戻った?んだけど・・・
勇者のヨーリス君が待っていてくれてね。
「申し訳ありません、思念体となった魔王がどうやら侯爵さまにくっつくように向こうへと行ってしまったようです。」
・・・・えーまじかー・・・・
そしてジスラン君が
「侯爵さま、お知らせできず申し訳ございませんでした。館の後始末を最優先で行っていましたので、今まで気づけずにいました。」
「あーまあいいよ。向こうで色々あったけど・・・・ってあー!やつ、あっちで人に憑りついてたって事だよな、心当たりがある!」
おっさんがそう言うと、再びヨーリス君が
「向こうでは恐らく魔力の回復が出来ないので、暫くすれば憑りついていた人から離れると思われます。その後自分の身体に入ろうとするのではないでしょうか?」
「あ、今魔王の身体って火葬して骨になっちゃってるけど?」
・・・・
・・・
・・
・
この後居合わせたメンバーで話し合ったんだけど、おそらく日本では灰に・・・骨に・・・?なった身体を復活させるのは困難で、時間がかかるだろうと。
その間に万が一復活してもどうにもならない場所に送ってしまうのが良いのでは?となってね。
で、おっさんの収納カバンに入れてはどうかとなったんだけど、結局魔王の思念体?が骨にくっつてしまい、どうなるか分からない・・・・と。
で、おっさん思ったんだけど、骨を宇宙に飛ばしてしまえばいいんじゃね?って。
最近では民間の宇宙産業も盛んになってるしね。
で、おっさん周り・・・・まあ主に自分の店とセアリアス帝国皇帝エトムント・リーネルトからの資金援助で大量の金を捻出してね。
驚くなかれ日本円にして1000億円を集めてね。
まあ一機100~200億ぐらいのコストっぽいから何とかなるだろうと。
・・・・
・・・
・・
・
おっさん日本では死んだ事になってるので、色々身分を偽り?プライベートジェットを借りて夢の国へ。
そこで金の力を使って打ち上げをしてもらう事に。
こっそりするので、実際に打ち上げる予定のロケットを2機作ってもらってね。
そのうちの1機は最初から存在してない事にして、打ち上げも極秘にしてもらう事に。
で、やってもらう事は
①帰還をしない
②打ち上げて静止軌道ではなく探査衛星みたいに地球外に飛んでいく
③中の物が万が一燃えては困るので、完全密閉で万が一打ち上げ失敗しても燃え尽きないようにする
というもの。
いやーお金の力ってすごいね。
こっそりと了承してくれちゃったよ。
・・・・
・・・
・・
・
どうやら打ち上げるのって同じ部品を複数作るので、今回はその部品で丸ごと作ってくれたみたいで思ったより早く出来上がってね。
話を聞くと企業秘密な部分がかなりあるんだけど・・・・実はおっさんの会社、過去に衛星の部品を作った事があってね。
当時おっさんの部署がそれにあたっていて、同じ部品を使うのは一つなんだけど、20個ぐらい作った記憶が・・・・もしかしたら10個だったかもしれないけど・・・作る必要があってね。
で、この中で一番精度の良い部品が使われる事になるそうで。
まあ多分だから部品は沢山あるんだよね。
こうしておっさんが頼んでから1年以内に打ち上げ準備が出来上がっちゃったよ。
あ、そうそう、どうやら魔王が憑依してたと思われる人物は、もう魔王が移動した後みたいで、何事もなかったかのように生活をしてるみたい。
そして魔王の思念体は・・・・どうやら自分の死体・・・・骨を見つけたみたいで、そこにこっそりと入りこんだっぽくてね。
本当に注意しないと分からない感じで。でも今はもう魔王だった骨はカプセルに収まっていて、思念体ごと密閉状態。
このまま上手くいけばいいんだけどね。
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