第380話 白河小次郎の葬儀

・・・・


?あれ?ここは何処だ?


気が付くとどこかで寝てる?さっきまで何してたっけ?思い出せん・・・・

ふと目を開けると・・・・心配そうにこちらを見下ろしてる妻と2人の子供の姿が。

で、左右を見ると・・・・ううぉおおおお!これはもしや・・・・棺?何気に手を・・・・動く。

腕を持ち上げると・・・・持ちあがった。

徐々に体を動かしていくと、うん、動く。


「う・・・・あ・・・?」

ありゃ、上手くしゃべれん。何か口に入ってる・・・・


「あ・・・こーちゃん、よかった・・・・。」

妻が声をかけてきた。

これってやっぱ・・・・死んだんだよな?まあ、予定では死ぬつもりだったからいいんだけど・・・・問題はどうやって死んだかだけど・・・・

上手くいってれば自宅のパソコンに死ぬ時の動画が送られてるはずなんだよね。

なにせ、蘇生のバックアップを取った時以降の記憶が失われちゃうからね。


あ、それより・・・・取り敢えず起き上がって、棺桶から顔を出す。

うん、家族以外はいないね。

ここは・・・・葬儀場かな?

確か何度か葬儀で見た事がある・・・・ここは市営の葬儀場だな。

火葬場が隣接してる場所。


うーん、死体の口の中に詰め物するから仕方ないけど、取りにくい・・・・

普通は取り出す事を考慮しないからね。

取り出し、思いっきりむせちゃったよ。


「あーやっぱり死んでしまってた?」

おっさん妻にそう聞くと

「うん・・・・警察署から連絡来た時はびっくりしたよ。こーちゃんからは事前に生き返ることができるって聞いてたから、死ぬのは予定にある事だからって、で、この端末を壊せば生き返るって聞いてたから・・・・」

「とーちゃん!」

「パパ、パパ―」

妻と子供の3人がおっさんにしがみついてきたよ。

そりゃあ夫、父親が目の前で死んでたらこうなるわな。


おっさんあんまり実感がわかないけど、一通り家族の絆を確かめ合った後、色々やらないと、という事で・・・先ずはおっさんの身代わり・・・・


そうそう、向こうから持ってきてたんだっけ、魔王?の死体。今回はこいつに身代わりになってもらおう。

どうせ確認なんてせんだろうし。


という訳でおっさん棺桶の中に魔王?の死体を取り出し安置してく。

まあデカいからね、パーツごとに切り刻んでおいたから、これらをひとつずつ取り出して置いてく。

うーん、おっさんより明らかに重いよな?まあ気にしないでおこう。

後は顔だよな・・・・

そう思ってたら妻が

「一応言われてた通りに石膏でこ―ちゃんの顔の型を取っといたんだけど・・・・。」

お!過去の自分ナイス!


おっさんその型を受け取り・・・・うーん、まさか自分のデスマスクを作る羽目になるとは・・・・


シリコンで型から顔を整形し、着色っと。

おお!それっぽい・・・・うーん、やっぱり口元や目元は窪んじゃうよね。なんか自分の顔じゃない感じ。

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