第377話 エリクサーをいくつか渡す

効果はすぐに発揮されて、おっさんの腕は元通りにくっついてね。

そして腕を何事もなかったかのように動かし始めて、先生たちは薬の効果に驚いて

「ほ・・・・本当に・・・治ってる・・・?信じられん・・・」


そう言いながらおっさんの腕や切り口付近を触ったりしながら確かめ

「念の為にCTします。」


とか言われ、CTをする事に。

そして・・・・

「素晴らしい!傷口の痕跡すらわかりません。何なんですかこの薬は?」

CTの結果を見てそう言う先生達。

「先ほどの薬は、外傷以外、つまり内臓の方には効くのでしょうか?悪性腫瘍や白血病、脳梗塞、その他の疾患では?」


・・・・まあそうなるはな。

「先生、内臓にも効くみたいなんですよ。多分白血病には。まあ悪性腫瘍にも効くと思いますよ、白血病で効果があったので。でも、脳梗塞は試してないので何とも・・・・」


「なんと!白河さん、今この病院にはもはや寛解が不可能な末期の患者が沢山いるのですが、この薬を使わせてもらえないでしょうか?」

先生達はおっさんにそう言うんだけどね・・・・


「申し訳ないけど、そんなに手持ちがないんですよ。しかも、こちらでこの薬が作れるかというと、多分無理ですし・・・・」


あ、そうそう、一応ね、異世界から戻ってきたメンバーには、おっさんが色々作れる事は言わないように口留めはしてるんだよね。、ああエリクサーのような薬はおっさんが向こうからいくつか持ってきてるというのは口止めは敢えてしなかったんだけどね。


「異世界でしか手に入らないのでしょうか?もしよければサンプルにひとつ預かって、成分を調べたいのですが、今後の医学の為に是非一つ頂けませんか?」


必死になって詰め寄ってくる病院関係者の面々。

おっさん思う所もあったので、5本ほど取り出し

「一応5本あります。2本は研究で使ってみてください。そして、3本は・・・今この病院で死を待つしかない人がいるなら使ってみてください。誰に使うかはお任せしますが、すべての症状に効くとは限りませんし、もし劇的な効果があれば使わなかった人との間に色々不公平が出てくると思いますが・・・・」


おっさんそう言うと

「あ・・・ありがとうございます!」

そう言って早速受け取ったんだけどね。

「あ、念のために言うと、もう渡すほどはないですからね。異世界でもかなり貴重な薬ですし、価格的には・・・・数十億はすると思ってください。」


念のために・・・そう言っておいたよ。そうホイホイと渡せられるものではないと思ってもらわないとね。尤もおっさんの作ったエリクサーなんて元手はほとんどかかってないんだけどね・・・・

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