第351話 一応確認のため、順に聞いてみる

うん、尤もな話なんだけどね。ジスラン君もメーネアが息子をシラカワ領の次期当主にさせないと分かってて確認のために聞いてるんだよね。

だって、メーネアは今はインダルチャンス王国の女王。そして息子は当然次期国王になるべき立場。


そしてメーネアが

「ジスランさま、それに皆様方も・・・・其々お立場もあると思われますが、私は今はインダルチャンス王国の女王としての立場がございます。故に息子は・・・・わたくしの後を継ぐ義務が生じてしまいます。他に息子がいればよいのですが、現在息子は一人。申し訳ございませんが、旦那さまの後を継ぐことができません。旦那さま・・・・ごめんなさい・・・・」


「いやいや、メーネアが謝る事じゃないよ?最初からわかってた事だしね。それに立場と言えば、エルヴィーラ、君も難しいだろう?」


そう、エルヴィーラはこの場に来ないと思ってたんだけど、来てくれたんだよね。

「はい、旦那さま。この身は旦那さまに捧げたとはいえ、残念ながら生まれ持った身分、立場というのはずっと付いてきてしまうものです。わたくしの子供はセアリアス帝国の王族としての務めを全うしなくてはならず、王族の務めは残念ながら侯爵としての務めより優先しなくてはならず、この件に関しては父も譲ってはくれませんでした。」


うん、最初からわかってるんだけどね。

で、順番的には香苗ちゃんとオリアーナなんだけど・・・・

「旦那さ・・・・白河さん、私の子供は私と一緒に日本に連れて帰るから、ここの跡取りとかの話は無しでね?」


うん、勿論だよ。あ、そうそう、香苗ちゃんは日本に戻ったら、一応おっさんとは別の人生を歩む事に・・・・シングルマザーになるって決めてるみたいなんだけどね。なので、向こうでおっさんの事を旦那さまと呼ぶのはいかがなものかと思うので、白河さんと呼んでもらうのに慣れてもらう事にしてるんだよね。

で、次に回ってきたのがオリアーナ。

「えっ?私の子供が?無理無理!庶民の娘の子供が貴族の跡取りとか!リュシエンヌ様の子供に後を継いでもらうべきです!そうですそうしましょう!私も子供は・・・・シラカワ侯爵の跡取りではなく、どうしても分けるのならシラカワ商会の跡取りか、責任者としての立場までにすべきかな・・・・」

テンションある意味高いな、オリアーナは。

まあオリアーナの言ってる事はわかるよ。

ここには貴族のご息女、ご子息が何人かいるし、おっさんの子供の中にはロートレック公爵の孫の立場もいるし。

まあこの辺は貴族制度がなくなって久しい日本じゃなかなか分からない感覚かな。

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