第332話 おっさんシリーズ


うーん、相変わらずサッパリ原理は分からないけど、スキルを意識すると何となくできちゃうんだよね。

で、ついでに色々な属性とか・・・・火炎の防御とかいいよね、とか考えてたらてんこ盛りになっちゃって。

あ、そうそう、ジャンバーと言ってもコートっぽいやつね。


で、出来たのが、見た目は普通のカジュアルコート。

でも、防御力抜群でね。

試しに最初に目についた館を警備してる警備員?兵士?におっさんに切りかかってもらったら、コートに当たった瞬間剣が砕けちゃってね。おー!すげー!

あ、まずったな・・・・。警備してくれてる兵士さん、うろたえてるよ。

このままじゃあと思って、代わりの剣を収納カバンから取り出して差し出してね。


「あ、悪いね。壊しちゃったからこれ使って。」

「あ、い、いや、しかし・・・・この剣って・・・・こんな凄いの貰っちゃってよいんですか?」

「ああ、剣がないと警備できないよね?流石にめちゃくちゃ凄い奴じゃなくって、剣作ってる時に、色々試してたんだけどね・・・・その時に作成したお試し品。だからおっさんが普段使ってる奴ほど扱いにくい奴じゃなく、普通に使えるやつだから。あ、ただ普通のよりはかなり良いとは思うけどね。」



うん、実際普通に売ってる剣とはけた違いの性能ってのは間違いないんだけどね。

ただ、何やら剣から凄まじい威力の何かが飛び出すことも無いから、扱いやすいとは思うんだよね。


「こ・・・こんな立派な剣・・・・家宝にいたします!」

「そんなたいした事じゃないから。」


そういってもすごく感動してるなこの兵士さん。


数年後、この兵士?は国でもトップクラスの冒険者として名を成す事になるみたいなんだけど、この時おっさんそんな事考えもしてなかったんだよね。

あ、そうそう、まだコート試作段階だったから、ついでにあげちゃったんだよね。


うーんこのコートおっさんの館を守ってくれてる人みんなにあげようかな?

そう思ってジスラン君に相談したら、あえなく反対されちゃったよ。

「明らかなオーバースペックです!もう少し控えていただきたい。」

だって。

万が一の時にいいと思うんだけどなあ。


こうやって何度か確かめて、おっさんコート(仮)とおっさんズボン(仮)が出来上がったよ。

なんで”おっさん”がつくんだ、名前に?異世界コートとかでいいじゃねーかって思うだけどねえ。


この時おっさん全く気にしてなかったけど・・・・これが後々にシラカワブランドの防具”おっさん”シリーズとして、プレミアがついちゃったんだよね・・・・


ちょっとしたのならいいんだけど、本気のは・・・・

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