第308話 4年ぶりの再会
おっさん、急ぐ心をどうにか落ち着けて、ゆっくり起き上がり、周りを見ると、奥の方に3人が・・・・・・最初に目についたのは、4年前よりは多少老けてしまったけれど、愛する妻の顔がそこにあったよ。そして、その両隣には、幼いころの面影のある娘の顔と、年中ぐらいの顔の小さな男の子が。
『ああ!〇▼◇様!(注、おっさんの信仰する仏教の祈りの対象に対して)妻と子供を助けてくれてありがとうございます!』
おっさん心の中で思わずそう祈ってしまったよ。
この場合、実際に助けてくれたアルフォンシーナとアメリータと、その信仰する何か?に感謝しないといけないんだけどね。おっさんあいにく教会の事はよく知らないから、何を信仰の対象にしてるか知らないけど、何かの神かな?なのでありがとうとお礼を言うにとどめたよ。
おっさん恐る恐る3人の所に近付き、恐る恐る妻の手を取ったよ。
「友里奈・・・何があったのか分からないけど、巻き込んでしまってごめんね。それに千亜希に遼太郎、大きくなったね。今までちゃんと会えずに寂しかっただろう?父親失格でごめんな。」
気が付いたら4人だけになっていたよ。
大塚さんはともかく、治療してくれた2人、動ける状態じゃなかったよな?
どうやって移動したんだろう?
そうやってどれだけ時間が経ったのか分からないけれど、妻が目を覚ましたよ。
「友里奈、わかるかい?僕だよ。」
・・・・妻は暫くボーっとしてたけど、だんだんはっきりしてきたのか、おっさんの顔をじっと見て
「こーちゃん・・・・ほんとうにこーちゃんなの?」
「ゆりちゃん・・・・僕だよ。本物だよ。」
「こーちゃん!こーちゃん!」
妻が泣き出したよ。
おっさんそおっと妻を抱きしめたよ。
まだ起き上がれないのか、そのままで妻もおっさんに腕を回してね。
暫くして、娘が気が付いてね。
おっさんが召喚された時が小学校2年生だったから、今はもう6年生?ずいぶん大きくなったよ。
そして娘もおっさんの顔をじーっと見て・・・・
「パパ?パパなの!本当にパパなの!」
「ちーちゃん、パパだよ!4年かかったけど、やっとちゃんと会えたよ!」
「パパ!パパ―――!」
娘の方は体力ががあるのかベッドから上半身を起こしてね。そしておっさん娘を抱きしめたよ。
「パパ―!寂しかったよー!パパのバカ―!」
「ごめんよちーちゃん、ごめんよ・・・・」
思いっきり泣きました。
そうしたらようやく息子も起きてね。
「遼太郎、パパだよ、分かるかい!」
やっぱり暫くボーっとしててね・・・・
「かーちゃん!怖いよー!」
そう言って妻に抱きついたよ。抱きつきながらちらちらおっさんを見てるんだよね。
そして妻が息子に
「遼太郎、この人がパパだよ。何度もパソコンでお話ししたでしょ?」
「うん、お話しした人と同じ顔してる。」
「わかった?貴方のパパよ。」
「・・・・パパ?」
「パパだよ、遼太郎、大きくなったね。」
この後4人で抱き合って思いっきり泣いちゃったよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます