第295話 エルヴィーラとナターリヤ

「おう!わかった・・・?なんだエルヴィーラ?」

「父様、先に私の報告があるので少し黙っていて下さい。」

意外とエルヴィーラ辛辣だなあ?

「旦那様、第2子を妊娠いたしました。」

「何!いつの間に!何で父親に言わねえんだよ!」

「旦那様ですら知らないのに、何故父様に先に知らせないといけないのかしら?」

「むぐぐ・・・・」

・・・・おお!2人目か。いつの間に?

あれだな、エルフの里に行く前だな。

「エルヴィーラおめでとう!そしてありがとう!」

「喜んでもらえて嬉しい。それで、今回は娘の事もあって、プレジール城で出産をしたいと思いまして。」

「おう!いつでもいいぞ!孫と毎日こんな所へ来なくても触れ合えるんだ!さあ今すぐ帰るぞ!」

「父様気が早いです。この娘にも皇族としての教育を行いたいですし、旦那様どうでしょうか?」

「皇族の事情はよく分からないしね。エルヴィーラがそうしたいというならそうしたらいいよ。皇帝も喜んでるみたいだしね。」

「ありがとうございます。準備が整い次第プレジール城へ入城いたしますわ。」

「うん、わかったよ。で、皇帝さんは何かあるのか?」

「ああ、シュラハト連邦だがな、停戦したとはいえ、相変わらずキナ臭くてな、なんと言ったっけ、向こうの怪しげな奴。」

「皇帝よ、ミロスラーフという名だ。ミロスラーフについては我が何とかせねばと思ってる。貴様が許可を与えてくれればシュラハト連邦へ探りに行くが、どうだ!」

「ナターリヤ、身体は大丈夫なのか?」

「心配ない。もう大丈夫だ。」

ナターリヤも出産してるからね、そんなにすぐに元に戻るんだろうか?まあ、日本でもトップアスリートも、出産後に復帰してる女性は沢山いるから大丈夫かな?

「おお!流石はシュラハト連邦の女将軍だな!こちらにはシュラハト連邦に詳しいのがいなくてな、探ってくれると助かるんだよ!」

皇帝、最初から頼むつもりだったんじゃ?

「今はシラカワの妻だ。間違えるな!」

皇帝に対して遠慮、容赦のない言動だな。

「じゃあ頼むよ、ただあのミロスラーフはかなり謎の多い人物だし、遭遇しても無理しないでよ?」

「心得ている。我も準備が整い次第、出立する事にする。」

「お、これで楽になるぞ!それよりもだ、シラカワお前何時になったら帝都に出店するんだ?」

「別に店出さなくていいだろう?ゲートくぐればすぐ店なんだからさ!」

「あほか!貴族がホイホイと領地離れられんし、俺様の妻も店に行きたいと言ってるが、ゲート使うのが嫌でな。」

・・・・まあ、仕組みがよく判らんからそれも分らん事も無いけど、言ってる本人ゲート使いまくってるんだよなあ?

「本音は?」

「城の近くにあれば気軽に行けるだろう?」

「はいはいわかったよ。オリアーナどう?」

「店を作るのはいいけど、そう簡単に店を任せる人増やすことなんてできないしね。ちょっと考えないといけないわね。」


そうなんだよ。特にここ最近、おっさんの店をあちこちに出してほしいって要請があってね。

おっさん、女性向けの商品に注力してて、しかも今までこんなに女性向けの商品がなかったので、今までの商店と品があまり被らないんだよね。だから最近は他所の商店もおっさんの店に対しては特にライバル意識もなく、それより逆に自分の所の店の近くに出店してほしいって意見もあるらしくてね。

そしてこの後、ロニーさんの発言でとんでもない事に!

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