第170話 3人に館を案内する

おっさん、何故か館を3人に案内してるんだよね。

「なかなかいい館じゃねーか、まさしく館だよ、これ!屋敷とは違うな!良い職人使ったんじゃねーのこれとかよ?」


・・・・皇帝はえらく館を気に入ったようだよ。

まあ案内してるのは何処の館でもあると思われる部屋とかばかりだけどね。

なんだかんだ言って辺境伯の住まう場所だからね、手は抜けないよ。

まあ普通はこんな大きな館は10年に一度ぐらいしか建たないらしく・・・伯爵以上が10年以上新たに授与されてなかったらしく、新たな伯爵はおっさんが20年振りらしいんだよね。

男爵、子爵は頻繁にあるみたいなんだけどね。


で、普通は貴族の館は既にあるのに住むのが一般的で、新築はそうないみたい。

つまり地震とかで壊れてないんだよね。


「流石はシラカワ辺境伯。そこいらの公爵の館よりも広い・・・流石に新しい、未開の領地に建てるだけあって、広大な敷地を確保した事による、またシラカワ商会の資金があるので金銭面でも余裕があるし、羨ましい・・・・」

ごめんよ、ロートレック公爵。公爵領より大きいの建てちゃって。

「陛下、この館の肝は隣の温泉と商店と工房ですぞ!」

ロニーさんは工房や商店、温泉に関わってくれてたんだよね。もう自分の店のように語るその熱さ、流石だよロニーさん!


でもね、本当の館の要はゲートなんだよね。

そしてそのゲート部屋へとおっさん案内したよ。


「何だよこの数、帝都のより多いじゃねーかよ!」

そうなんだよね・・・・ゲートを作ったのはおっさんだからね、当然色々な便利なこのゲート、かなりの数を設置したんだよね。


そして発電所。

風力と水力、太陽光を組み合わせてるんだけど、もう館以外にも館周辺の設備全般をカバーする電力。

もちろん、工房や商店は電力無しでも運用できるようにはしてるんだよね。

何せおっさんがいなくなっちゃったら維持できないだろうし、そうなった時に電力に依存しすぎてたら後は廃れるのを待つばかりになっちゃうからね。


そして、誰にも見せられない部屋が一つだけあるんだよね・・・・

”おっさんの書斎”ってなっている場所なんだよね。

おっさんが日本へ帰還すべく試行錯誤する部屋。

おっさんと妻と、ごく一部の使用人のみが立ち入る事を許された部屋。

この館の中でも、一番日本との交信ができる場所でね。

何とかこじ開けて向こうに帰還できないか日々試行錯誤してるんだよね。


館の案内が終わって、次は館の外の商店と温泉と工房も見てもらってね。

3人には風呂はこの温泉つかってほしいんだけど、有名すぎてどうやら無理っぽい。

プライベートを確保できるおっさんの館じゃないと駄目だってね。

なら皇帝専用の温泉作ってやろうかと言ったらそういう問題じゃないらしい・・・・


店はね、明日本格的にオープンさせるので客はいないんだけど、店員はもう配置についてるんだよね。

今回は商業都市アフェールの店の売れ行きを考慮して、長所をより伸ばし、さらに色々な物を販売していけるようにしてね。


女性向けの店は商業都市アフェールとほぼ変わらない感じで、男性向けのスペースを拡大してるんだよね。

因みにどちらもやんごとない身分の人々が来る事が多そうなので、ゲートと、VIPスペースも設けてね。

そして、高額な貴金属や、おっさんの作った武器も扱うようにしたんだよね。

色々な意見を聞いて、元手はかかってなくても高額で売るようにしてるんだよ。

特にね、おっさんの打った剣とかはかなりのスペックになっちゃうから、そうそう売るなって事になってね。売る時は皇帝の許可がいるようにしたんだよ。


貴金属もね、以前金貨5000枚とかで売れちゃったやつとか、沢山仕入れてね。

まあ、金貨20枚とか30枚・・・・日本円でで20万とか30万。

場合によっては100万を超える金額で異世界売買で手に入れて売ってるんだよ。

ぼったくりなんだけどね、ダイヤモンドのカット技術は日本ほどないみたいで、安いものでも高額で飛ぶように売れちゃうんだよね。


で、工房に行く前に、3人と食事をする事にしたんだよ。

相変わらず食事のサービス続けてるんだよ。

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