シラカワ領の館
第168話 新たな命の誕生
シラカワ領の館が完成した翌日、メーネアちゃんが健康な男の子を無事出産したんだよ。
異世界では父親が出産に立ち会うっていう文化がないのか、追い出されてしまったよ。
でもね、日本で産科も学んでいた大塚さんが、助産師さん?を説き伏せ・・・・日本では立ち会うのが一般的なんだから、辺境伯を立ち会わせてほしいという感じで・・・・立ち会う事が出来たよ。
おっさん、日本でも娘と息子の出産には立ち会ったんだよね。
娘の場合、夜勤の週でね、まだ
自宅にいたから、会社に電話して半日休ませてもらって、息子の場合は、前もって1日休む連絡してたので、当日朝に電話で休ませてもらってね。
なのに、その場にいるのに立ち会えないのは理不尽だー!って思ったんだけどね・・・・。
特に、貴族様が立ち会うなんて
大塚さんのおかげだよ。
・・・・
・・・
・・
・
久しぶりに抱く新生児は片腕にすっぽり、小さな体で元気いっぱい泣いてたよ。
今はすやすや寝てるけどね。
メーネアちゃん・・・・もうお母さんになったんだから、今後はメーネアって呼ばなきゃな・・・・は疲れ果ててぐったりしてるけど、我が子を抱くその姿におっさん感動してしまったよ。
「メーネア、よく頑張ったね。」
「はい、旦那さま、見事な男の子を、無事に出産できました。」
「うん、今はゆっくり休んでね。」
「少しだけ、休みます・・・・」
ほっそりした体つきだし、そんなに体力もなかったはずだから、メーネアはもう寝てしまったよ。
この子はどんな風に育つのだろう・・・・
ふと思えば、いつの間にか異世界に来てから一年が経ったんだなあと少しショックを受けたよ。
ああ、息子ももうすぐ2歳。
メールで写真や最近は動画も送ってくれてるから成長した姿を見れるんだけど、まだ当時は喋れなく、歩けなかったのに、動画では元気に歩き回って、いっちょ前に片言で何やら喋ってるし。
折角館も完成したんだし、落ち着いたら本格的に日本へ帰る手段を模索しよう・・・・。
そうそう、新たに生まれた息子は、おっさんが日本に帰る事になってもそのままこの異世界に留まるので、名前はメーネアにつけてもらう事にしたんだよ。
1年たっても異世界の風習とか色んな事が分からない事だらけでね。
そして、メーネアが無事出産してからさらに10日ほどして、今度は香苗ちゃんが無事に女の子を出産したよ。
どうやら香苗ちゃんは娘が欲しかったらしく、もう凄い喜びようでね。
香苗ちゃんと同じで、将来は別嬪さんになるんかなあとかぼんやり考えちゃったよ。
そしてね、メーネアの出産の時はおっさん全く問題にしてなかったんだけど、日本に帰れる事になったら、香苗ちゃんも帰りたいだろうし、娘は当然連れてくだろうから、日本でのこの子の扱いがどうなるか、全く考えてなくてね。
日本じゃあ不倫扱いで、子供も認知がどうのってすごい問題になりそうだなあ、と。
そして、妻に申し訳ないなあと今更気が付いちゃったよ。
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