第167話 おっさん、事業の拡大を考える

正直粗相をした人の後始末って大変だよね。

おっさんなら間違いなく断る!逃げる!キレる!


臭いし汚いし不衛生だし・・・・

そんな中、これらの事を奴隷になってしまったとはいえ、率先してやり遂げてくれた君たちは素晴らしい!


今後は様子を見ながらだけど、シラカワ領で色々雑用をしてもらいつつ、適性を見極めて何かしてもらおう。

何故か本人達凄くやる気なんだよね!

どうやら元々おっさんの評判は聞いていたらしく、そして知り合いの職人たちが次々とシラカワ領へと嬉々として旅立っていく姿を何度も見ていて、密かに羨ましく思っていたようでね。

そして、奴隷にされてしまってからの扱いが、殊の外好待遇だったので、このままここに留まりたくなったそうな。


・・・・

・・・

・・


さて、おっさん、ざっと500人ぐらいを店と領地に招いてね、この中にはおっさんと同じぐらいの身分の貴族も含まれていてね。中には侯爵一家もいてね。

特に奥方様達がおっさんの店を気に入ってね、後日アクセサリーやら、ちょっとせくしいな下着などを買ってくれたよ。

そしてね、温泉も気に入ったらしく、家族でちょくちょく来てくれてね。

これは早いところお客さん用の温泉作らないとね。

いっその事旅館にしてしまうか?

そう思ったら周りがえらく乗り気でね。

そのまま温泉旅館を作る事になっちゃったよ。


そして、今までおっさんの所の石鹸やシャンプー、リンスのうわさは聞いていても使った事が無い人達が、今回温泉で使用してみて、その効果に驚き、購入していった人々が続出したんだよね。


今回おっさん、金貨1000枚ほど出費しちゃってるんだけど、あっという間に元が取れちゃったよ。

おっさんお店と領地、そしてね、トレイナー商会の・・・・正露★をトレイナー商会の名前で提供してもらったんだけどね、もう評判がよくて、シラカワ商会と言うべきなのかな?とトレイナー商会の評価はもうどんどん上昇しちゃっててね。

店の売り上げもかなり増えて、良いこと尽くめでね。

そして、モーヴェ商会のほうはと言えば・・・・

毒入り?作物を販売してしまった事により、皇帝よりかなり厳しい沙汰が下ったようでね。

それにシラカワ商会・・今後はもうシラカワ商会でいいや・・・・の買い付けの人を2度にわたって襲わせ、一度は強奪までさせていた事実が発覚して、もう商会としての信用がなくなってね。

今後はもうどこも取引してくれないだろうってね。

まあ、自業自得ってね。


こうしてモーヴェ商会の思惑は失敗に終わり、シラカワ商会の勢いが増していく事になったんだよね。


・・・・

・・・

・・


この後特に大きな出来事もなく、半年ほどが経ち、遂にシラカワ領の領主の館、つまりおっさんの住処が完成したよ。そして、途中から作り始めた温泉旅館も合わせて完成したんだよね。

何か複合施設みたいに店も大きなのが入って、工房もあってね、そして、温泉の方はね、日帰りも勿論できるようにしていて、この中にね、おっさんが気まぐれで思いついた場所も用意したらね、良い意味でも悪い意味でも物議をかもす事になっちゃったよ。


そして、商業都市アフェールのおっさんの住処では、小さな命が2つ、産まれようとしていたんだよ・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る