第117話 屋敷の基礎

冥府の門かあ。


つまり、この世とあの世を繋ぐ門って事か。


という事は、死者の魂がこの門を通ってこの世とあの世を行き来する、大事な場所ってわけか。


この世界で死んだ魂が、本当にこんなもんひとつで行き来できるんかいな?疑問だ・・・・




ただ、おっさん的には、日本への連絡手段が今まで無くなっていたのが、ここにきて復活、しかもここの方がよりできる感じなのだ。


もう此処に住むしかない。


別に、死者の姿が見えたり、アンデットがわんさかわいたり、バ〇オハザードみたいな世界が広がってるわけでもなく、そんなのを微塵も感じさせないしね。




あ、そうそう、冥府の門には今も新たなケルベロスが鎮座まします状態なんだよね。


ここをわからないように囲っておけば、もう気にならないし、門に近付かない限りどうやらケルベロスは無害なんだよね。


だからおっさん、この場所を普通の人ではわからないように、隠しちゃう事にしたんだよ。




そう、この門の上におっさん、屋敷を作る事にしたんだよね。


この門は屋敷の地下となるようにしちゃって、もう普通の人ではわからないようにね。




今後、屋敷は冥府の門の護りとして、屋敷の主、つまり代々のシラカワ辺境伯の冥府の門の護り手という役割の意味もなすようになるのだが、おっさん、この時はそんな深い事を考えてなかったよ。






さて、とにかくおっさん、土魔術でこの場所に屋敷の土台を作ったんだよね。


さりげなく盛り土をして、ちょっと小高い場所にしてね。


もう誰もここに何かあったとは気が付かないようにね。


盛り土の後はかなり大きめに土魔術で基礎を作ってね。冥府の門は地下道を通して行き来はできるようにしといたんだよ。


そうしないと色々問題ありそうだからね。


この地下道はおっさんが管理する事にしたよ。


後を継ぐ子孫、ご先祖様は実はこんな理由でここに屋敷建てちゃったんだよ、ごめんね。




屋敷をいきなり全部完成させるのは難しいので、先ずは普通に暮らすスペースだけを完成させたよ。


あ、もちろん、風呂場もね。風呂場は家族用の大きなのと、来客用に男用と女用のデカいのをね、作ったんだよね。もうスーパー銭湯や大きい温泉みたいなデカさだよ。


いずれは下に温泉がないか調べよう。


調理場もね、生活するのに必要なのと、伯爵だからね、デカい厨房も必要そうだから、それのスペースも用意してね。


後は、何かテレビで見た事あるようなデカい屋敷を想像して、部屋がいくつもあったり、踊ったりできる場所があったり、幸いここには皇族がいるし、色々どんな感じにしたらいいか聞いちゃったよ。




上物は最低限にしたからね、基礎だけはしっかりしとかないと、増築した時に段差が出来たりとか嫌だしね。


そして、おっさん的に肝心なのがこの日本とやり取りできる場所。


この場所はおっさんの書斎にしたよ。


これで、妻に連絡できる。子供も大きくなっただろうなあ。あ、大塚さんたちが生きていたことも教えないとね。逆に、これだけしか生き残りがいない現実も教えないといけないんだけどね。




そしてゲートを置く場所も用意し、早速設置したよ。自宅に用意しとけば何時でも行き来できるしね、便利だよ。


ただ、今後はこの場所が本宅になるのかな?




・・・・


・・・


・・



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