第106話 勇者パーティと聖女様

「そういえば、勇者君は名前何て言うの?」


「はい、ヨーリスです。伯爵さま。しかし、あのような剣をもらってしまって本当にいいのですか?」


「いいんだよ。ちなみにほら、残りの剣もここにあるし、心配ないよ。どうせおっさんが打ってるんだから、また打てばいいんだし。」


そういっておっさん、残り3本の剣をヨーリス君に見せたんだよ。


「そういえばさ、ヨーリス君は転生者じゃないんだよね?」


「はい、転生者はライナスだけです。ちなみに僕は15年前の戦争で孤児になったそうです。」


「15年前に戦争があったんか?」


「はい、小さなものだったらしいのですが、たまたま僕とライナスは同郷で、村が戦場になってしまい、双方の親はその時死にました。」


「よくわからないけど、戦争はよくあるのかな?」


「この国は色々な国の集まりですから、いくら皇帝陛下がまとめて下さっても、辺境では争いが絶えないんですよ。」




嫌な世の中だねえ。察するにこの辺りは帝都から近いし、治安はいいんだろうな。




おっさん、女性陣が気になったので、この2人は適当に工房への立ち入りの許可と、気になるようなら店に顔を出すように伝え、店に顔を出してみたんだよね。




そうしたら、2人共に既にシャンプーやリンスを店でした後で、いい香りがしてたよ。


で、現在この2人は下着売り場にいたんだよね。


娘さんは恥ずかしそうな顔をしてたけど、アルフォンシーナさんは真剣なまなざしで選んでたな。


「これどうかしら?」


「ちょっと母さま過激すぎます。何処で着るんですか、そんなの?」


「勿論、伯爵さまの前でですよ?折角プロポーズをお受けして下さったのですもの、あのような要求があれば答えるのが女の務め。これもよいですね!」


・・・・今何か聞き逃せない事言ったね。誰が誰のプロポーズを受けたんだろう・・・・これおっさんがアルフォンシーナさんのプロポーズ受けたって事だよね?何がプロポーズだったの?ちょっと、話聞いてる?




もうおっさん、意地になって、兎に角サイズの合うのは全部持たせたよ。


娘さんは・・・・もう少し成長の余地があるかもしれないから、ぴったりのサイズと、ナイトブラとかスポーツブラを取り敢えず沢山持たせてね。


サイズが合わなくなったらまた来なさいって言ったよ。君達からはお金取らないから、オリアーナに連絡すれば対応するからってね。


で、結局エッチい下着と普通の下着、肌着を使ってもらう事にしたよ。




石鹸やらシャンプーやら、色々一度試してもらうのに一通り渡してね。で、あまりの荷物量だったからね、今回色々大変だったし、全員に収納カバンをプレゼントしちゃったよ、おっさん。


あとはねえ、絶対に手放さない事を条件に、何組かの双方向ゲートも渡したよ。仮にも勇者一行だからね、危険と隣り合わせだろうし、万が一の緊急脱出にも使えるだろうから、持たせる事に。




で、4人にはちょくちょく来てほしいって言っておいたよ。勿論社交辞令じゃなく、特に女性陣は店の都合として、シャンプーとかの使った感想を知りたいのと、下着肌着の付け心地とかを知りたかったので、必ず来るようにと、さらに念押しをね。


娘さんは目を輝かしてたよ。中々こんな店にはこれないんだろうね。




そして、少年2人にも、困った事があったら必ず来るように、あとは個人的に2人に非常に興味があるから、あとはその武器の感想も聞きたいから、もし冒険に出かけ、この付近に来たなら必ず寄ってほしいって言っておいたよ。




なんやかんやで4人は帰っていったよ。




そして、おっさんは知らなかったけど、アルフォンシーナさんって、この国じゃあ超有名人らしく、”聖女アルフォンシーナ”って言われているようで、元勇者パーティのヒーラーでもあり、現勇者パーティのリーダーでもあり、指導者でもあり、ヒーラーとして活躍しているみたいでね。


で、そんな聖女様なんだけど・・・・




毎日来てるんだよね。おっさんの所に。


そして何故かおっさんに密着してくるんだよ。


何日かに一度は娘さんとも来るようでね、その時は店を満喫していってるんだよね。


あーマジ奥さんですか?また増える?


でも、アルフォンシーナさんは知識も豊富で、機知に富んでるから話しててあっという間に時間が過ぎるんだよね。


で、おっさんの奥様方も何故かアルフォンシーナさんを受け入れてるんだよね。


は!おっさんいつの間にか外堀攻め落とされてたよ!恐るべし聖女様!




4人がおっさんの所に来てから2週間が経った頃、ロニーさんが連絡してくれてね、また帝都におっさん達行く事になったんだよね。




そして何故かおっさん一行に加わる聖女様。


あれ?行くの?




翌日に出発する事になった日、聖女様はおっさんの家に泊まる事になってたよ。


いいんかい?聖女様ってもっとこう、淑女ってイメージがあるんだけど。


周りの人いわく、今まであらゆる事を犠牲にしてきた聖女様は、そろそろ自分の幸せを優先してほしいんだってさ。だからっておっさん幸せにできるの?無理でしょ?




そうして、セクシーな、エッチいランジェリーで現れた聖女様におっさん陥落されちゃったよ。


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