第105話 謎の珠

アルフォンシーナさん、そりゃあ思うだろうな。


「えっとね、マスィールダンジョンらしいんだよね。おっさん記憶にないんだけど、スマホに録音しててね、なんか残念な女から貰ったみたいなんだよね。そうそう、この珠に念じれば何かあるって言ってたっけ?」


「そ、そのかたは・・・・きっと女神さまですわ。伯爵さま、ちょっとその珠をお貸し願えませんか?」


おっさん、渡したよ。ちょっとその時アルフォンシーナさんに触れたんだけど、何か近くでいい女の匂いがするんだよね。流石大人の女性。


そうしたら何やら念じてたな。


で、暫く固まってたんだけど、何かあったのか、顔を真っ赤にして返してくれたよ。で、その時こっそりと耳打ちしてきてね。


”まだ妻の席は空いてますか?空いていたら私もお願いしたいのです”




えーなんだそりゃ。何かしたのか?その珠は?


残念な珠だったか?


「なあ、何があったんだ?大丈夫かい?」


「だ、だいじょうぶでふゅ」


あ、かんだ。大丈夫じゃないね。


「あ、そうだ、これを渡すように言われてたんだよ。」


おっさん、鎧を取り出し、ライナスに差し出したのさ。


「この珠を持ってるやつに鎧を渡すように言われててね。渡しとくよ。」


「こ、これは・・・・いいんですか?」


「ライナス君、貰っておいてくれ。そういう約束をしたらしいんだよ。」


なんだかねえ。


「何から何までありがとうございます。このご恩は一生忘れませんわ。」


いや、忘れちゃっていいんだよ。


「あ、それとね、2人にこれをあげよう。」


おっさん思い付きでさっき戦った時に使ってた剣を2人にあげっちゃったよ。折角素晴らしいスキル持ってるのに、剣はそう大した物じゃなかったんだよね。


「こ、これは・・・・」


勇者君驚いてるな。


「あ、それおっさんが作ったやつだから。強さはさっき打ち合ってわかったでしょ?実はまだ3本あるから、使ってよね。」


「ありがたく使わせてもらいます。」




おっさん、この剣が魔王を打ち滅ぼす事になるなんてその時は思いもしなかったよ。


「あ、女性陣はもう店での買い物終わった?」


ちょっと話題を変えとこう。




「実は騒ぎを聞きつけて急ぎ戻ってきたのでまだ途中なのです。」


「じゃあ、店に戻ってみてこようよ!」


おっさん、ちょっと美女に意地悪したくなっちゃって、ちょっと言っちゃったよ”おっさんの妻になりたいなら、とびっきりのセクシーな下着を着てほしい”って。


顔を真っ赤にしちゃってたけど、後から聞いたら、あれアルフォンシーナさんがプロポーズして、おっさんが受けるの返事をしたと思ったんだって。


ぎゃー、異世界の事はよくわからない!




で、あの残念な女?はアルフォンシーナさんに何をしたんだ?


それと、勇者君も謎だけど、ライナス君も謎だな。結局あの2人は何だったんだろう?

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