第97話 トレイナー一家との話し合い
「ロニーさん、この国の伯爵とはいったいどういった感じですかね?」
おっさん爵位は、大雑把にしか知らなかったし、国や時代によって違うんだよね。
なので一度聞いておいたほうが良いと思ってね。
「伯爵についてですか。伯爵は・・・・そうですな、まずは地位は子供に引き継げる、というのでしょうか。男爵は一部引き継げない一代限りというのがありますからな。」
「あーそれは知ってますよ。周りが早く子供を成せ、とうるさいですからね。」
そうなんだよな。早く跡取りを作れってうるさいんだよ。
こればかりは授かりものだからね。
「次に・・・・やはり領地を、通常なら引き継ぎますが、シラカワさんのような新興の貴族というのは領地がありませんからな。なので、皇帝陛下よりその内何処かの土地を賜る事になろうかと思いますね。」
「うんうん。そういうのも言われた気がするよ。」
「当然、領土で起こった争いに対しては、自ら解決せねばならないし、領民の保護、色々な手続きの窓口、文化の保護、商売の奨励、農地の開墾、道路の整備、外敵の排除等々やるべき事は多いですな。しかし、全部をひとりでするのは不可能なので、実際には領主代理を置いたり、領土内のさらに下の爵位の貴族にそれぞれ任せたり、というのが多いですな。」
「領土経営もなかなか大変そうだな。」
「それにですな、実際に収穫したものや領土で販売したものに対する税金等、お金の面でも色々せねばならず、かなり忙しいですな。後は、有事の際には自ら率先して事に当たらねばなりませんし。」
「そんなの全部ひとりじゃ無理だなあ・・・・」
「そうですな。なので、大貴族になれば子供を沢山儲けなければならぬのです。それと、シラカワさんの場合、まずは優秀な家臣団の結成でしょうな。」
「そうホイホイと現れる?」
「シラカワさんには不思議な魅力があるので、勝手に向こうから来るでしょう。例えば、シラカワさんの周りにいる冒険者たちですよ。」
「お!わかる?彼らは地味なんだけど、信用できるからね。それに向こうからずっと雇ってほしいって言ってるしね。」
「では、まずは彼らを中心に家臣団を成立させ、だんだんに規模を大きくすればよいでしょう。
右腕になってもらう必要はないですが、それなりの責任ある地位につけてやれば、喜ぶでしょう。」
「そんなものなの?」
「冒険者で名を成せるのはほんの一握りですからな。それに、シラカワさんは伯爵。大貴族の家臣にと言われ断るような人間はそうそういないでしょうな。むしろ子々孫々家臣団にいたいと思うでしょうな。」
「考えとくよ。なかなか面倒な世界だな。」
ここでひとまず貴族については話を止めとく事にしたよ。
この後は、おっさんが日本からの召喚者の生き残りを連れ戻した事や、現状の健康状態、3人の保護についても話してね、ロニーさんは医者とかで心当たりのある人たちを探してみると言ってくれてね。その前に教会へ行ってはどうかって言われてね。
なにせ、怪我以外も精神的な治療、毒の治療もしてくれるらしく、ひょっとしたら、回復するんじゃないかってね。
あとはゲートだね。
これに関しては、もし使うなら、双方向のゲートを2組用意し、実際は一方通行のを2つ運用したほうが良い、って教えてくれてね。流石、ロニーさん、と思うんだけど、これに気が付いたのはロニーさんの息子のカーティス君だった。
おお!ロニーさん、優秀な跡取り息子じゃないか!
で、皇帝陛下に知らせるのは、ある程度ゲートを作成してからにしたほうが良いと言われたよ。
恐らくすべて国で管理するとなるだろうから、その前にいくつか持っておいたほうが良い、ってね。
ロニーさんもいくつかほしいって言ってるから、まあ、秘密にいくつか用意しとくかな。
色々する事もあるし、もう少し様子を見てから帝都へ赴くか・・・・。
話が終わると、カトリーンが待ち構えていたよ。
「さあ!約束じゃ!妾と事を成そうぞ!そして主よ、喜ぶがよい。妾は初めてなのじゃ!いざ、ベッド(戦場)へ!」
いや、戦わないよ?しないよ、昼間から。
そんな悩ましい目で見ないでよ。
ちょ!力強い!引きずっていかないでよー
この日、また妻が増えたおっさんだった・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます