第91話 あばよ!インダルチャンス王国

おいおい、何だよそれ。じゃあ、今回の召喚は、たまたまこいつらがゲートを開けた時、たまたまおっさんの近くにその人がいて、たまたまおっさん達は巻き込まれてしまったってわけかい!




とんでもない奴らだな。


「で、召喚して、スキルを奪ったら、その人達はどうしたんだ?」


「あ奴らは・・・・人に・・・・非ず・・・・スキルを・・・・回収・・・・すれば・・・・用はない・・・・男は・・・・さっさと・・・・殺し・・・・綺麗な・・・女は・・・・慰み者として・・・・この国で・・・・飼っている・・・・今回は・・・・3人だけ…だった・・・・前回は・・・・5人いたが・・・・全員・・・・死んだ・・・・」


「どうしてくれるんだよ!で、何で異世界人からスキル奪うんだ?奴隷や犯罪者から奪えばいいじゃないか!」


「異世界人は・・・・総じて・・・・スキルレベルが・・・・高いのだ・・・・我が国の・・・・人間が・・・・どう頑張った・・・ところで・・・・5年の・・・歳月では・・・・異世界人の・・・・レベルには・・・・届かん・・・・だから・・・・奪うのだ・・・・」


「あんたら腐ってるな。じゃあ、自分たちがスキル奪われたらって想像した事ないのか?」


「我は・・・・国王だ・・・・そんな事を・・・・心配する・・・・必要は・・・・ない・・・・」


「まあそれはもういいや。じゃあ、そのアイテムをくれ。あと、呪文とかはないのか?」


「呪文は・・・・ない・・・・魔力が・・・・貯まれば・・・・発動・・・・する・・・・召喚石は・・・・召喚スキルが・・・・あれば・・・・使える・・・・」




もうおっさん、どうにもならない怒りがこみ上げすぎて、これ以上この元国王と話すのをやめたよ。


だから、宝物庫とやらに行って、ゲートの魔法陣と特別な召喚石をカバンに入れて、さっさとこの国を出る事にしたよ。




・・・・


・・・


・・





「カトリーン、また頼むよ」


「主よ案ずるな。多少人が増えた所で、たいした事ではないのじゃ。」


「もう早く帰りたいからさ。」




さくっと帰る事にしたよ。もうこの国には来たくないしな。




おっさんと一緒に巻き込まれた召喚者のうち2人は結局4人に支えられて船に乗り込んだよ。


回復すればいいんだけどね・・・・


で、もう一人の召喚者、大塚さんは、なんととある総合病院の医者らしく、この2人を一生懸命見てくれてたよ。


あーおっさんの回復スキルはこの人のだったのかな?とか思っちゃったよ。


一応、回復魔法をかけたんだけど、大塚さんが言うには、身体はとてもよくなった。けれども、心の方は回復しないね、その魔術では・・・・だったよ。


大塚さんもしっかり休んでもらわないとね。


暫くはおっさんの店が女性ばかりだから、そこで心身共に回復していってもらおう。




あばよ!インダルチャンス王国




あ、結果的にメーネアちゃんの父親に酷い事をしちゃったけど、いいよね?

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