第81話 杉浦 香苗 その4


私に、白河さんは料理をしてほしいと言ってきたので、夢中で作ったわ。


何かしてないとおかしくなりそうで。


小さい頃から料理は好きだったから苦にはならなかったわ。


しかも、食べた人が口々に、こんなに美味しいの今まで食べた事がない!と口をそろえて言うの。


作った私が言うのも変だけど、普通の料理だよ?おいしいけど、レストランとかのおいしさはないと思うんだけど。




そうしているうちに、白河さん、なんと日本と連絡を取る手段を発見!


向こうからの情報はすぐに手に入り、私達は電車から突然消え、今も行方不明になっているという記事を見せてくれた。


本当にあったんだ・・・・


で、白河さん、何とメールで家族と連絡を取る事に成功して、こちらの事を伝えてくれて、私の両親にも知らせてくれた。なぜか私のスマホでは無理で、白河さんのスマホじゃないとできないみたいだったけれど。


しかも、どうやらほとんど向こうからの一方通行らしく、こちらの情報は一度に100文字ほど、しかも1日で!しか送れなく、写真も受信はし放題だったけど、送るのが難しく、白河さん苦労してたっけ。




そして、こちらに来てひと月がたったころ、私の白河さんに対する思いが日に日に増していき、同じようにメーネアさんも白河さんに対する思いが膨らみ、そして、ついに!


2人とも白河さんを求めてしまった。


何故か抑えられなくって。


しかも白河さんは既婚者・子供もいる。不倫。不倫はいけないと思ったけれど。


止められなかった。


でも、この世界、男性が複数の女性を娶るのは当たり前との事で、メーネアさんはむしろ私が白河さんと致した事を喜んでくれたのよね。びっくりしたけど、安心しちゃった。


で、時間があれば毎晩・・・・恥ずかしくって、これ以上は・・・




ひと月ほど経ったころ、トレイナーさんから帝都への誘いがあり、行く事に。


色々観光とかした後、家に戻ったら、なかった。焼けてた。


白河さんあまりものショックで倒れちゃった。




でも、流石は白河さん、いえ、旦那さん。いえ、あ・な・た・キャッ!




流石は私の主人、えっと、今後どう呼ぼう?色々変えてみようかな?


何度も流石っていうのも変だけど、白河さんは立ち直ってくれたの。


しかも、めちゃくちゃにしてくれた人たちを一網打尽にして。



そうしたら、また帝都へ。


帝都では、ダンジョンに行く事になったみたいで、私とメーネアさんはお留守番。


この間色々と学んだのよね。


この世界についてほとんど知らなかったのもあるし。


で、その代わり一生懸命料理をふるまったのね。


皇帝と呼ばれている人も喜んでいたわ。




そして、白河さんが帰ってきたのよね。新たな女性を連れて。


で、この女性が、妹さんを人質に取られていて、それを白河さんが手助けをする事になってて。


そういえば、トレイナーさんの娘さんも、いつの間にか白河さんをダーリンと呼んで、そういう関係になってるみたい。


白河さんはいつの間にか大貴族になっていて、もっとどんどん妻を娶らないといけないらしく、貴族というのも大変なのね、と。




白河さんが帰ってきて、留守番だった3人がたっぷり愛し合ってもらった後、やっと帰る事になったのだけど、店もうないよねと思っていたら、トレイナーさんがもう新しいのができてると教えてくれてね。


本当にできていて驚いたのよね。


で、帰った後、なぜか急に気持ち悪くなり、メーネアさんに助けを求めようとしたら、メーネアさんもつらそうにしてて。


あれか、旅の疲れが出ちゃったのかな?って思って。


でも、念のために、調べたんだよね。妊娠検査薬。


白河さんとは避妊してなかったから、もしかしてできちゃったら調べるのに欲しいと言ってあらかじめ用意してもらってたんだよね。


本当は白河さん、避妊しようかって言ってくれてたんだけど、女性陣は全員断ったんだよね。



で、結果・・・・2人とも陽性・・・・ばっちり出ちゃった。


時期的には最初に致したあたりかな?


焦っちゃったけど、ちょっと間を置いたら、すごくうれしくなっちゃった。


メーネアさんとふたり、抱き合って喜びを分け合っちゃった。



この事をいつ言おうかしら?


メーネアさんは、旦那さまが十六夜さんの妹さんを救出してからにしたほうがよいのでは?


と提案したのでそうする事に決めたの。


またあの国に戻って、大変な事になるのだから、少しでも負担を減らしておくべきと思ってね。



今、私、幸せです。日本に帰りたい?帰りたいけれど、白河さんと別れるのは嫌。別れるのならずっとここにいたいわ。


私っていけない女ね。


・・・・

・・・

・・


「?何か言った?香苗ちゃん。」


「私幸せって言ったのよ、あ・な・た♪」

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