第80話 杉浦 香苗 その3
私たちは脱出した。
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兎に角私は白河さんに必死でついていった。
気が付けば商館と呼ばれる場所に。
そこでもおじさん色々していたけれど、私は話について行けず、パニックになるのを必死にこらえていた。
奥の部屋に案内してもらい、おじさん、何やらカバンから取り出してる。
え?胡椒?そんなの持ち歩いていたの?
更にお酒?ビンのやつ。重いよね?私は飲まないからわからないけど、瓶のはウイスキーかしら?
しかも2本も?そのカバンにそんなに入るかしら?
更に石鹸?なぜ石鹸を?あ、シルバーアクセサリー。奇麗ね。何故そんなものまで持ち歩いているのかしら、白河さん。
何故か目の前の女性は金貨?で買い取っていった。金貨?
そして何気に気が付いたけれど、周りの人と私達はずいぶん違う格好をしている。
今は逃げているので、目立つのはよくないと、地味な服?外套?を羽織る事に。
そういえば、城を脱出したころから、妙に白河さんの事が気になってしまって。
しかも男性として。え?なぜ?分からないけれど、妙に意識してしまう。
用が済んで、宿に行く事に。
なかなか立派な建物。お金が心配だったけど、先ほどのがかなりの金額になったので、問題ないらしく、泊まる事に。
白河さんは別の部屋を取る事を提案してくれたけど、なぜか離れたくなくって、はしたないけれど、一緒の部屋にしちゃった。
部屋と言っても、実際はいくつかの部屋に分かれているから、各自各々の部屋を使えるみたいで。そこは安心かな?
でも、白河さんは風呂にこだわってて、ちょっと可笑しかったな。
暫くして、入浴。汗もかいちゃってるし、あの黒いのも近くにいたしね、入れてよかったよ。
何故かシャワーがないからって言ったら、白河さん、ジョウロを出してくれて、簡易的にシャワーとして使えたよ。おじさん、どっから出したの?
しかも、シャンプーとリンスも出してくれて。あ、普段使わないような高級なものだ。
何故こんなものまで?
風呂から出て、バスローブがあったので羽織って移動すると、白河さんが私の事をじっと見てくるの。ドキッとしちゃった。
ちょっとはしたなかったかしら?
落ち着いて3人で話をすると、メーネアさんが話してくれたことに、ショックを受けちゃった。
帰れない・・・・
思わず泣いてしまった。
白河さんはそんな私をそっと慰めてくれた。
落ち着いてから、現状を纏めて教えてくれた。
白河さんが、本来奪われるはずのスキル?を奪い返した事、一緒に巻き込まれてしまった人達は恐らくもう殺されている事等。。
平和な日本で暮らしていたはずなのに何故・・・・
そうしているうちに、この国にいては追手が来るからって、必死に逃げた。途中で護衛を雇ってさらに逃げた。
そしてついに・・・・化け物に襲われ、死を覚悟した私だったけど、白河さんがやっつけてくれた。
凄い。しかも一度白河さん凄い勢いで化け物に体当たりを受けて吹っ飛んでしまったように見えたのだけれど。
この後、トレイナーという親子と知り合いになり、何とか国境を越えた後、白河さんはなんと家を購入。かなり立派な建物。
しかも、店を開くというから驚き。
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