第46話 おっさん、皇帝に会う
帝都プレジール
セアリアス帝国の首都で皇帝エトムント・リーネルトが支配している。
皇帝の居城であり、支配の中心でもあるプレジール城。そしてその中のとある一室。
「おい!まだ来ないのか!待ちくたびれたぞ!早くつれて来い!」
「陛下、まだ到着されておりませぬ。到着しておられぬ以上、お連れする事は無理でございます!」
「そんな言葉は聞きたくないわ!急いで連れて来い!」
「・・・・わかりました。では連れてまいりますのでこれにて失礼いたします。」
「分かればいいんだよ、分かれば。」
わがままな皇帝ではあるが帝都民に慕われている皇帝陛下であった。
・・・・
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「ロニー・トレイナー様お久しゅうございます。お疲れでしょうが陛下がしびれを切らしておりますゆえ、このままお入り下され。」
・・・・普通色々面倒な手続きとかあるんじゃね?それをすっ飛ばすとかどんなけ急いでるんだか。
おっさん一行は今、帝都プレジールのプレジール城に来ている。道中何事もなく無事に到着し・・・・何故か朝一番で宿に迎えが来ていて、急いで来るようにとせかされたが・・・・
流石はお城!いい雰囲気出してるなあ。インダルチャンス王国では色々観光する余裕とか無かったから、どんな感じだったか覚えてないけど、こうしてみてみると、ここは異世界って感じだな!
おお!ここが謁見の間?とかいう王様とかにお目通りする場所か!ワクワクするな!
お、早速偉そうなのが来たぞ!あれが皇帝ってやつか?
「おお!待っていたぞ!ロニー久しいな!」
「エトムント陛下も息災で何よりでございます。」
「おいおいロニー、かたっ苦しいのは無しで行こうぜ!で、そっちのおっさんがシラカワってやつか?」
「はい陛下、その通りです。」
何かはっちゃけてるけどフレンドリーな皇帝さんぽいな。
「お初にお目にかかります。白河と申します。以後お見知りおきを。」
「おうお、待ってたぞ!おっさん、あんたも畏まったいい方しなくていいからな!」
「本当に普通に話しても?」
「おう、かまわないぜ!」
「じゃあ普通に話すよ、陛下。えーと、もしかして私を待ってたのかな?」
「その通りだ!ロニーからおっさん、あんたの事は手紙で知らせを聞いてな、どうやら収納カバンを俺にくれるって話じゃねーか、?くれるのか?」
「・・・・どんな伝わり方してるかわからないけど、献上する予定の品の一つだよ。」
「おお!まだ他にもいいのがあるのか!お、おっさん、あんたの後ろにいる女共、よく見たら全員めっぽう美人じゃねえか!女を献上してくれんのか?」
「いえいえ、こちらの女性はそういうのではないから冗談でもやめてほしいよ。」
「がっはっは!ってよく見たらなんだ、ロニーの娘じゃねえか。おいロニー、俺は美人でも行き遅れはいらんぞ!」
「申し訳ありませんが陛下、娘はすでにシラカワ様の物なのですよ。」
・・・・貰ってねーし。何そのもうおっさんが貰った前提の話。オリアーナ嬢も、もじもじしてるんじゃないよ!
「おお!おっさん、あんた物好きだな!わざわざ行き遅れを娶るなんて!まあ、この娘の気立ての良さは折り紙付きだからな!幸せにしてやってくれよ!」
・・・・えーもう娶るの決定事項なん?何度も言うけどおっさんにそんな甲斐性ないよ?
「?おい、そっちの女、お前どこかで見た事あるな?名乗るがよい。」
「お久しゅうございます、エトムント陛下。インダルチャンス王国のガーベージ3世が長女、メーネア・シンセリティでございます。」
「おお、思い出した!ガーベージの娘か!もう15年ぶりぐらいか?」
「はい、その通りでございます。」
「で、何でロニー達と一緒に来てるんだ?」
「そ、それは・・・・実は陛下、わたくし国を捨ててシラカワ様に助けていただいたのですわ。そして今はわたくしの旦那様なのですわ。」
「おいおい、おっさん、あんた行き遅れが趣味なのか?確かに熟れちゃってるから食べごろだが、若い娘には興味ないのか?」
「おっさんおっさん言うけど、まあもう45だから、20後半でも十分若いんだよ。」
「おお、そういう見方もあるのか!恐れ入ったぜ!」
・・・・
・・・
・・
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暫くあほな会話が続いたけど、本題の献上の品を渡す段になると、何故かエトムント陛下の奥方と思わしき女性達が次々と現れ、下着を所望してきた。
「これが噂のぶらじゃーというものなのですね!」
「このしょーつなるものもすごいですわね!」
おうおう、一国の主ともなると、はべらかせてる女の質も半端じゃないな!全員メーネアちゃん並みの美女だよ。チクショー!
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