第45話 おっさん、帝都への誘いを受ける

「シラカワさん、近々帝都へ向かうのですが、ご一緒してはもらえないだろうか?」



・・・・あれからさらにひと月程経ったある日、トレイナー商会のボス、ロニーさんが突然そう提案してきたよ。


どうやら以前、皇帝に貢物を、と言っていたからそれの事かいな?


「えーと、皇帝に会うんですか?」


「ええ、私の方から帝都へ手紙を出した所、何とエトムント・リーネルト陛下が直にお会いして下さると連絡があって、こんな機会はそうそうないのでぜひシラカワさんに陛下と会ってもらいたいのだよ。」


いよいよ来たかあ。この国に腰を落ち着けるなら避けられないんかな?できれば目立ちたくなかったけど、もう今更手遅れか・・・・


おっさん、店を開いてから忙しかったけど、結局は経営者という事で落ち着いて、店自体は他の人に任せちゃったよ。


なんだかんだ言ってオリアーナ嬢も忙しいので、結局オリアーナ嬢が勧めてくれた女性を店長にして、任せちゃったよ。


そして、石鹸やらシャンプーやらの詰め替え作業は、面倒なのでこちらも人を雇ってやってもらってる。いや、雇うってのは違うかな?


うーん、いわゆる奴隷だな。


この世界では奴隷は当たり前に存在してて、おっさん的にはどうかと思うけど・・・・


奴隷と言っても主人が何でも好き勝手出来るわけじゃなく、ちゃんとした扱いをしないといけないらしく、下手に暴力をふるえば主人が一転して犯罪者になりかねないらしい・・・・


シャンプーとかの入れ物をどうするか悩んだんだけど、結局この世界におっさん的には適当な入れ物を見出すことができなかったので、無地の安いシャンプー用のボトルを購入し、詰め替え用の容器に移し替える作業をしてもらう事に。


こちらの作業場は別の場所を借りてやってるんだよね。おっさん的には自宅の敷地でと思ったんだけど、よく考えたら多数の人間を自宅の敷地に入れなければならず、色々面倒になりそうだから別の場所を用意したんだよね。




そして何処だったかのギルドに居たおじさんに鍛冶職人を紹介してもらい、一通り教えてもらって早速剣を作ってみたんだけど、スキルってすごい!


何でおっさんに鍛冶スキルがあるのかわからんけど、やってみたら体が勝手に動いたよ!


何かおっさん4属性の魔術を扱えるので、剣にその属性を籠める事が出来ちゃって、魔剣?ができちゃったよ。


恐ろしく軽くて、傘ほどの大きさの剣が、傘ほどの重さしかなくって、いやー軽い軽い!


まだどんな事ができるか試してないけど、剣からビームとか出るんだろうか?ちょい期待!




そして、店のダイヤモンドのネックレス、金貨5000枚で売れちゃったよ。


やはりどこかの貴族の奥方が買っていったようで。金持ちってスゲーな。



さらに一週間がたち、おっさん、ロニーさんと共に帝都へ赴く事に。


メーネアちゃんと香苗ちゃんもついてくる事になり、トレイナー商会からはオリアーナ嬢が一緒に来る事に。



「あなた?わたくしも宝石を身に着けたほうが良いのかしら?」


いつの間にかメーネアちゃん旦那さまからあなたに言い方が変わっちゃったよ。


そして香苗ちゃんは


「あ・な・た 向こうへ着いたらこの服がいいかな?」


と少し前まで白河さんと呼んでたのがやはりあなた・・・・若干違うか・・・・・?と呼ぶように。


おっさん力尽きるといつも後悔しちゃうんだよね、やっちまった感が半端ないから。もう遅い、手遅れなんだけどね。



帝都で日本に戻るための情報があればいいんだけど・・・・


「ねえねえ、あたいの事いつになったら抱いてくれるの?」


ふたりも異世界で嫁が(1人は日本人だから戻ってしまったらいろいろやばいんだけど)いるし、もうこれ以上おなかいっぱいだから、


「・・・・・・・・ちょっと何すんだ!」


またもや抱きついてきたよ、嬢ちゃん。やめてって、おっさんの甲斐性ではもう無理なんだってば!


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