第4話・真知子・触れ合う
間近で目が合った。
初めて・・・・吐息がかかる距離で、わたしはこの人を見つめた。
彼の目は。
大きくはないけれど奥二重の、きらきらした瞳をしていた。
彼は私よりも年は上で大人なのに、よく見ると子供のような目をしていると思った。
すこし照れが出てきて目をそらした私の顔を、彼は捕まえた。
あっ・・・というまに、唇を唇で塞がれ、舌が入ってきた。
ねっとりと絡み合う音が部屋中に響いて、その音で頭ごと身体中がとろけそうだった。わたしは唇が塞がれているにも関わらず、声を漏らさずにはいられなかった。
上、脱ごうか。
頷いて、静かにベットに移動した。
このベットの上なら、わたし達は好きなだけいくらでも求め合える。
不倫って、頭の中で相手の奥さんや子供の顔が常にちらつくものだと思っていた。
代償。
何かあれば。わたしは、たくさんの人たちを傷つける。
不倫とはそういうもの。
それを背負いながら、抱かれるものと思っていた。
ちっとも、メリットもない、何の徳にもならない、無駄な恋愛。
でも。今は。
今この瞬間だけは。
すべてを脱ぎ捨てて。この人は、わたしだけのものになる。
わたしだけを見てくれる。
わたしは、この人がしてくれる舌の動きや、触れるか触れないかくらいの、細かい指の動きに、いちいち反応した。彼は私が敏感なところを元から知っていたかのように、優しく触ったり、舌で転がしたりするのだった。
脚を広げ、小さな、敏感なところを舌でつつかれ、何度も私は絶頂し・・・
そして、彼は、ゆっくりとまるで処女にするかのように。優しく挿入した。
わたしばかりが愛撫されてばっかりの、とても激しく、優しいセックスだった。
中で少しずつ、少しずつ、膨らんでいって・・・つきぬけるような。
そんなわたしの空をつかむ手に、彼の手が重なってきて。
わたしはまた、反応した。
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