82 お湯かけっこ

 楽しかったイギリス生活もあっという間に終わった。


「じゃあ、幸雄、遥花。次に会う時は可愛い孫の顔を見せてくれよ」


「楽しみだわ~」


「もう、パパとママってば。気が早いわよ!」


 そんな風に口では怒りつつも、顔は満更でもない遥花だった。


「あん、残念。もう帰っちゃうの?」


 シェリーさんが言う。


「せめて一口、幸雄を味見しようと思ったのに」


「えっ」


「なっ……そ、そんなことしたら許さないんだからね!」


 遥花がキーキーと怒る。


「うふふ、冗談よ。またいらっしゃい」


 ちゅっ。


 キスをされた。


 ほっぺたにだけど。


「ああああああああああぁ!? もう、シェリーさんのバカアアアアアアアアアアア!」


 そんなこんなで、僕と遥花は日本に帰国した。


「さてと、帰りますか」


 空港のロビーにて僕は言う。


「ねえ、幸雄。ちょっと行きたい所があるんだけど」


「え、どこに?」


「思い切り、声が出せる場所」


「え、カラオケ? でも、それはまた今度でも……」


「そうじゃなくて♡」


 遥花はむぎゅっと僕の腕におっぱいを押し付ける。


「もしかして……」


「うふふ♡」


「でも、それこそ家に帰ってからでも……」


「ダーメ、もう我慢できないの♡」


 笑顔の遥花にせがまれて、僕は苦笑する他なかった。




      ◇




 空港に併設されたホテルの一室を取った。


「うわぁ~、すごく素敵なお部屋」


 そこは窓からの見晴らしも良い。


「あ、飛行機が飛んでいる」


「本当だね」


 僕は遥花のとなりに立った。


 すると、ふいにキスをされる。


「むちゅ~♡」


「むぐぐ……は、遥花さん。いきなり過ぎだよ」


「えへへ♡ だって、イギリスだとみんながうるさくて、幸雄とのラブラブに集中できなかったんだもん」


「まあ、そうだけど……」


「だから、その分たまっていた鬱憤を晴らすの♡」


「じゃ、じゃあさ。まずはお風呂に入らない? 僕、ちょっと汗をかいて気持ち悪いからさ」


「うん、良いよ♡」


 遥花は大胆にも、窓際で服を脱ぎ捨てる。


「こ、こら。見られたらどうするんだい」


「大丈夫だって」


 バルルン!


「ほらほら、幸雄も早く脱いで」


「あ、こら」


 そんなこんなで、少し強引な遥花によって裸にされた僕は、彼女と一緒にお風呂に入る。


「ふぅ~、お部屋にこんな広くて良いお風呂が付いているなんて。まるでラブホね♡」


「こらこら。僕らはまだ高校生だからね」


「じゃあ、大学生になったら、いっぱい行こうね」


「ちゃんと勉強しないとダメだろ?」


「もちろん、勉強もちゃんとするよ。けど、幸雄とのエッチな勉強もまだまだしたいの♡」


 遥花は湯船に浸かりながら、僕にちゅっちゅとして来る。


「本当に、いつもの遥花に戻ったね。イギリスだと、やっぱり家族の目があるから遠慮していたんだね」


「そうよぉ。本当は、もっと幸雄とちゅっちゅラブラブしたかったんだもん」


「まあ、僕もだけど」


「幸雄♡」


 僕の視線は、湯船に浮かぶ遥花の巨大なおっぱいに向けられる。


 ぷかぷかと浮かぶそれは、まるで戦艦のようである。


 何だかんだ、僕も遥花の両親たちの視線から解放されたこともあって、ちょっとだけハシャぎたくなる。


「ねえ、遥花。久しぶりに、おっぱいで遊んでも良い?」


「え?」


 僕は遥花のおっぱいに触れる。


「あっ」


 そして、左右の乳を軽くぶつけたった。


「あんっ、あっ!」


「遥花、ごめん。痛かった?」


「ううん、平気よ。もっといっぱい、あたしのおっぱいで遊んで♡」


「じゃあ、お言葉に甘えて」


 僕は少し力を強めて、遥花の両乳をぶつけ合う。


 パァン! パァン!


 お湯の抵抗にも負けず、勢いの良い音を鳴らす。


「ああぁん!」


「やっぱり、遥花のおっぱはすごいよ。普通なら、こうはいかない」


「も、もう、幸雄ってば。ハシャいじゃって、可愛いんだから♡」


「ごめん」


「じゃあ、そんな幸雄くんに、すごいの見せてあげちゃう」


「すごいの?」


「ちょっとおっぱいから手を離して」


「うん」


 僕は言われた通りにする。


「行くよ?」


 遥花は何やら身をひねり、


「えい!」


 お湯の中で思い切りおっぱいを振った。


 すると、バシャアアアアァ!と。


 大量のお湯が外に出た。


「こ、これは……何てパワーだ。さすが、遥花のおっぱい」


「えへへ♡ あ、そうだ。一緒にお湯かけっこして遊ばない? 幸雄は普通に手でやって、あたしはおっぱいを使うから」


「ルールは?」


「どちらかが参ったと言うまで」


「じゃあ、やろうか」


「行くよ? レディ……ゴー!」


 合図と同時に、僕は遥花に手ですくったお湯をかける。


「それっ」


「きゃっ! もう、やったな~」


 そして、遥花のターンとなる。


 僕はゴクリと息を呑んで身構えた。


 先ほどの威力を思い出して、ちょっと怖いなぁと思ってしまう。


 けど、


「えいっ」


 パシャリ、と小さくかけられる程度だった。


「あれ? さっきほどじゃないな」


「もちろん、手加減をしているよ」


「そうなんだ……ねえ、遥花」


「ん?」


「一度で良いから、全力でやってみてくれない?」


「幸雄、良いの?」


「うん。僕は全力の遥花を受け止めたいんだ」


「分かった。じゃあ、行くね」


 遥花は少し真剣な目になり、おっぱいを構える。


「えい!」


 バシャアアアアアアアアアアアアァ!


 そして、僕は――


「……ブクブク」


「わーん! 幸雄が溺れちゃった~!」


 結論。


 やっぱり、遥花のおっぱいはすごい。







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