81 たまには、まったり夜を過ごす

 自分で言うのも恥ずかしいことだけど。


 僕と遥花はほぼ毎日のようにエッチをしている。


 けど今は、一緒のベッドに寝ながらも、お互いエッチに踏み切れないでいた。


 なぜなら、いつあの陽気なファミリーが僕らのエッチを覗き見るか知れたものじゃないから。


 お互いに、ムラムラモジモジしていることは伝わって来る。


 仕方ない、こんな時こそ賢者モードを……


「……ねぇ、幸雄」


 遥花がひそめた声で言う。


「どうしたの?」


「……手だけ握っても良い?」


「あ、うん……良いよ」


 僕と遥花は布団の中で手を握り合う。


 指先をくいくいと動かして、必死にお互いの体温を求めようとしている。


 ああ、この焦らされる感じ。


 普通にエッチするよりも、ある意味なんか興奮してしまう。


 僕は指先を通じて、遥花の体温を感じながら、これはどうしたものかと思い悩んでいた。


 すると、遥花がすっと握り合った手を動かす。


 そのまま、自分の胸に触れさせた。


「えっ?」


 遥花は頬を赤らめながら、僕のことを見つめて来る。


「……おっぱい、触って」


「……いや、でも」


「良いから」


 遥花はその深い深い谷間へと、僕の手を誘う。


 包まれると、手を握り合う以上の温かさを感じた。


 しかも、すごく柔らかいし……


「……んっ……あっ」


「……は、遥花。声を抑えて」


「分かっているけど……あっ……幸雄の手を感じちゃう」


 そんな風にエロ可愛い遥花の顔を見て、僕は少しばかり胸に包まれた中で指先を動かしたい衝動に駆られる。


「……遥花、シーツを噛んで」


「えっ?」


 遥花は戸惑いつつも、僕が言った通りにしてくれる。


 それから、遥花の胸の中で指先を動かす。


 遥花が目に見えて悶え始めた。


「…………ッ!」


 イケナイと思いつつも、僕は止まれない。


 少し変化を付けるように、軽く指先でつねった。


 すると、遥花がビクンと跳ねた。


「ご、ごめん。やりすぎた」


「ふーっ、ふーっ……」


 遥花はシーツを噛み締めた口の端から吐息を漏らす。


「もう、やめようか?」


 僕が問いかけると、遥花は目の端に涙を浮かべながら首を横に振った。


「……続けて」


「……分かった」


 僕はさらに声を潜めながら、遥花の胸を探求する。


 何度も触れて味わっているけど。


 それでも飽きないくらいに素晴らしい。


 もちろん、大きいことが魅力だけど。


 それだけじゃない。


 大胆さと、時に繊細さを兼ね備えた、遥花のおっぱい。


 僕は時に強くいじりながらも、傷付けないように繊細にも扱う。


 その緩急が、遥花の快感を刺激したらしい。


 遥花は先ほどから、僕の指先で何度も震えて、わずかに果てようとしている。


「ダメッ、もう……んッ……んッ!」


 遥花はシーツを噛み締めて、ビクビクと震えた。


 その震えが、谷間にも伝わり、僕をも震わせる。


「遥花、大丈夫?」


 僕が言うと、遥花は頷く。


「ずっとシーツを噛んでいるの、疲れるよね」


 僕はそっと遥花の口からシーツを引き抜く。


「えっ?」


 代わりに、キスをした。


 そして、遥花の口を塞ぎながら、また胸を谷間から弄ぶ。


 今度は先ほどよりもダイレクトに、遥花の呼吸の震えが伝わって来る。


 お互いの舌がねっとりと絡む度に、思考が停止しそうだった。


「ぷはっ……幸雄、待って……あたし、何か来ちゃう……来ちゃうから……」


「ごめん、止まれない……!」


 僕はまたキスをして、遥花の声を塞ぐ。


 先ほど以上に、遥花の体がビクビクと震えた。


 そのまま、クタッとなる。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」


「……遥花、大丈夫?」


「だ、大丈夫じゃない……死ぬ。ていうか、キスと乳揉みだけでこれとか……もし、本番をしちゃったら……」


「今日は、やめておこうか……」


「あ、そうだよね……」


「いつもみたいにするのは」


「えっ?」


「前から、入れて動かないやつ、してみたかったんだ……スローというか、ゆったりする感じのエッチがしたいなって」


「ゆ、幸雄……もう、エッチなんだから」


「遥花には負けるよ」


「じゃあ、今日は二人でゆったり、まったり……ね?」


「うん」


 それから、僕と遥花はしっとりと繋がった。




      ◇




 翌朝……


「あー、ムラムラする。朝からムラムラするわ~」


「どうしたんだい、シェリー?」


「いや~、私も彼氏が欲しいわ~……チラッ」


 シェリーさんが僕と遥花に意味ありげな視線を送って来る。


 僕のとなりで、遥花がワナワナと震えた。


「もう、シェリーさん!」


 やっぱり、覗かれていたっぽい。







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