75 貧乳と爆乳のコラボ
GW明け。
「みんな、おはよう!」
ドブルルルン!
「「「グハッ!?」」」
「へっ?」
「おーい、みんなGW明けだからってダラけるなよ……」
「あっ、先生。おはようございます」
ドタプププン!
「ぐっ……ちょっと自習していろ」
「えっ、先生?」
休み明け。
ちょっと見ないだけで、遥花の暴れ乳に対する耐性が損なわれてしまうようだ。
「ゆ、幸雄……お前は本当よく平気だな。あんな爆乳ちゃんがいつもそばに居て……」
鼻血を垂らしながら秀彦が言う。
「僕もたまに鼻血を出すよ。遥かにおっぱいビンタをされて」
「お、おっぱビン……グハッ!?」
秀彦は倒れる。
「ねえねえ、幸雄。みんなどうしちゃったのかな?」
「君のおっぱいのせいだよ」
僕は笑顔で言う。
「ご、ごめんなさい」
遥花は素直に謝った。
◇
昼休み。
僕と遥花は久しぶりに呼び出しを食らった。
「全く……3年生になっても相変わらず……」
彼女はデスクに腰を掛けたまま、ワナワナと震えている。
「ふざけんじゃないわよ!」
ダン!
「……つ~」
「あはは、西園寺さんって結構おっちょこちょいなんだね」
「お黙りなさい、橘遥花!」
風紀委員長こと、
「麗子さん、落ち着いて下さい」
「お黙り、こまり!」
「すみません!」
ビシッと背筋を正すのは、僕らの1年後輩の
「全く、もう……ていうか、しばらく見ない間に、また成長したの?」
「そうなの。もう、おっぱいが止まらなくて」
「不公平です! 少しくらい、麗子さんに分けてあげて下さい!」
「お黙り、こまり!」
「今のは本当にお黙りだね」
「で、西園寺さん。あたしをどうしたの? また変なおっぱい器具とか付けちゃうの?」
「それは無駄だと分かっているからしないわ。全く、西園寺の英知の結晶を易々と破壊するとんでもないおっぱいなんだから」
西園寺さんはため息を吐く。
「そこでね、私は考えたの。むしろ、あなたを味方に引き入れた方が良いんじゃないかって」
「へ?」
「いっそのこと、あなたを風紀委員に任命しようかと思うの」
西園寺さんは言う。
「まあ、あなたも受験で忙しいでしょうから、強制ではないけど……」
「え~、面白そ~う。やるやる~」
「って、返事が早い! 少しは悩みなさいよ」
「だって、この前の模試はA判定だったから。ダーリンと一緒に」
「うっ、爆乳で彼氏もいておまけに頭も良いとか……クソリア充が!」
「麗子さん、落ち着いて下さい!」
「お黙り、こまり!」
「今のは八つ当たりだね」
「じゃあ、橘遥花。臨時と言う形だけど、あなたを風紀委員に任命するわ」
「はーい。あ、幸雄も一緒に良い?」
「そうね。あなたの暴れ乳を制御できるのは彼くらいなものでしょう」
「ていうか、暴れ乳とか普通に言われているよね。確かにいつも暴れているけど」
「やんちゃなおっぱいちゃんです♡」
「いちいちウザい女ね」
西園寺さんはまた吐息を漏らす。
「まあ、良いわ。じゃあ、今からさっそく校内に見回りに行くから。ついてらっしゃい!」
「分かった」
◇
廊下を闊歩する西園寺さんの背中に僕らは付いて行く。
「まずは、放課後になって用もなく校内に居座っている生徒を取り締まるわよ」
「うん」
すると、早速少しやんちゃそうな生徒たちを発見する。
「あなた達、もう下校時間よ。帰りなさい」
「はぁ? うっせえよ、ド貧乳風紀委員長が」
「なっ……」
「すごいです! 麗子さんの貧乳は全校生徒に知れ渡っています」
「お黙り、こまり!」
「今のは正解だね」
「ぐぬぬ……こ、これをご覧なさい」
ドンッ。
「あっ」
遥花は背中を押されて前に出た。
ブルルルルン!
「「「なっ!?」」」
やんちゃな生徒たちは目を見開き、
「「「ゴハァ!?」」」
盛大に鼻血を噴いて倒れた。
「フ、フフフ。思い知ったかしら、爆乳兵器の威力を」
「ねえねえ、西園寺さん。そもそも、あたしがおっぱいでこんな風にするのを禁止していたはずじゃ……」
「お、お黙りなさい! 貧乳をバカにする男どもには制裁を加えるのよ!」
「さすがです、麗子さん! 自分勝手な鬼畜さんです!」
「お黙り、こまり!」
そして、半ば暴走気味の風紀委員長さまは行く。
「あっ、またあそこにも。こら、そんな真似したら危ないでしょ!」
「うっせえよ、貧乳!」
「ムキー! お行きなさい!」
「わっ」
バルルルルルン!
「「「ぶごるふぁ!?」」」
ブシャアアアァ!
バタバタバタ!
「オーッホッホッホ!」
「ねえねえ、風紀委員の仕事ってこんな感じなの?」
「いや、きっと違うね」
「今日の麗子さんがおバカなだけです!」
「お黙り、こまり!」
「けど、あたしも何だか楽しくなって来ちゃった」
「えっ、遥花さん?」
「本当に? 橘遥花?」
「うん。西園寺さん……麗子ちゃんって、面白い子だよね」
「お、面白い……ふ、ふん! そんな風に褒められても嬉しくないんだからね!」
「あっ、麗子さんが照れています!」
「お黙り、こまり!」
いつの間にか、楽しげな彼女たちぼ僕は見守っていた。
「……ていうか、これ先生に怒られないかな?」
「大丈夫よ、美化委員はそうじマニアばかりで有能だから」
「へぇ~、そうなんだ」
「何かあなたのせいで血痕のそうじに慣れたから、将来少し危ない仕事に就いても大丈夫って、冗談みたいなことを言っているのだけどね」
「何それ、おもしろーい」
「ですね~!」
何か女子って、可愛いよね。
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