68 おっぱい拳法

 休日。


 僕と遥花は一緒に勉強をしていた。


 ちなみに、二人とも同じ大学を目指している。


 外国語学部。


 そこで、頑張って英語を勉強するのだ。


「あたしは日本が好きよ。けど、お父さんの故郷であるイギリスでもちゃんと人とコミュニケーションを取りたいから。勉強したいなって思ったの」


「そっか、それは良いことだね」


「幸雄、ごめんね。あたしに合わせてくれたんでしょ?」


「それはあるよ。だって、遥花みたいな素敵な女の子は、きっと大学でナンパされまくるだろうからね」


「やだもう、嫉妬? 幸雄らしくないわね」


「あはは、ごめん。けど、理由はそれだけじゃないよ」


「え?」


「英語が話せたら、仕事の幅が広がる。何より、君のお父さんにもちゃんと挨拶が出来るからね」


「幸雄……パパは日本語もペラペラよ?」


「いや、そうかもしれないけど……」


「何てね」


「ほら、ふざけていないで、勉強するよ」


 僕と遥花はまたペンを走らせる。


「けど、あたしもちょっと心配、というか嫌だな」


「え?」


「大学でナンパされるの。自分で言うのもなんだけど、絶対のこの胸を目当てに男どもが寄って来そうだし」


「確かに、108cmだからね」


「もう、言わないで♡」


 遥花は言った直後、


「あ、そうだ」


「何か閃いたの?」


「おっぱいに寄って来た男共は、おっぱいで蹴散らすの」


「え?」


「幸雄、ちょっと息抜きがてら付き合ってちょうだい」


 そう言って、遥花は立ち上がる。


「何をするんだい、遥花?」


「今からスパーリングをしましょう」


「えっ、それってボクシングとかでやる?」


「そうよ」


「僕、そういった経験はほぼ無いんだけど」


「大丈夫、幸雄は運動神経が良いから。遠慮なく、あたしを殴って」


「いやいや、それは出来ないよ」


「あ、間違えた。あたしの殴って?」


 僕は一瞬だけポカンとする。


「また、おかしなことを言い始めたね」


「何よ、良いじゃない」


 遥花は口を尖らせる。


「分かったよ、付き合うから」


「ありがと♡」


 遥花は笑顔で言った。


「じゃあ早速、始めるわよ?」


 遥花は両拳……ではなく、おっぱいを構えた。


「幸雄、手加減は無用よ」


「いや、ちゃんとするから」


「ふふん、油断は禁物よ」


 遥花は不敵に微笑んで言う。


「ほら、幸雄から来て」


 正直、あまり気乗りがしないけど。


 僕は何となしに彼女に迫って、軽く拳を突き出す。


「えいっ……」


「やっ!」


 瞬間、僕は後ろに吹き飛ばされた。


「いたっ……えっ?」


「ふふふ」


 遥花は尚も不敵に笑っている。


「どうかしら? あたしの『おっぱい拳法』は?」


「お、おっぱい拳法?」


 僕は立ち上がって聞き返す。


「そうよ」


 バルルン!


 まるで僕を挑発するかのように、遥花の爆乳が揺れた。


「もう何でもアリだな、遥花のおっぱいは」


「カモン、幸雄」



 僕はさっきよりちょっと強めにパンチした。


 しかし、


 むぎゅ……ボヨヨ~ン!


「うわっ!」


 また思い切り弾き返されて床に倒れた。


「す、すごいな、遥花のおっぱいは。けど、カウンターしか出来ない感じかな?」


「そうかしら? じゃあ、今度はこっちから行くよ?」


 遥花は勢い良く僕に迫って来た。


「はぁ!」


 遥花のおっぱいが勢い良くしなり……


 バチイイイイィン!


「ふべしっ!?」


 僕は頬をビンタされて普通に痛かった。


「幸雄、大丈夫? けど、すごいでしょ?」


「はい、凄すぎます……」


「ほら、早く立って♡」


「え、まだやるの?」


「次は……おっぱい往復ビンタ!」


 バチバチイイイイイイィン!


「ぐへっ!?」


「そして、おっぱい連打!」


「ぐあああああああああああぁ!?」


 カンカンカーン。


「やった~、あたしの勝ちね♡」


「……あ、うん。もう僕の完敗です」


「けど、これで分かってくれたでしょ? 例え他の男にナンパされても、このおっぱいがあれば平気よ♪」


「うん、そうだね。じゃあ、僕は遥花とは別の大学に行こうかな」


「えっ、何でよ~!?」


「いやぁ、さすがにそんなオバケおっぱいはちょっと……」


「そ、そんな……ぐす」


「じょ、冗談だから。泣かないで」


「本当に?」


「ああ。遥花のおっぱいは最高だよ」


「えへへ♡ じゃあ、エッチしよ」


「今から?」


「うん」


「分かったよ」


 それからエッチをした時も、やっぱり遥花のおっぱいは凄いし、ワガママだった。







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