64 たまにはおっぱいを小さくしてみました

 ついに始まった新学年、新学期。


「え~、遥花ちゃんって、黒田くんと同棲しているのぉ!?」


「うん、そうなの。この春休みから♡」


「良いな~!」


「あのね、前のアパートよりも壁が厚いから、思い切り声を出しても平気なの♡」


「やだもう、遥花ちゃんってば、相変わらずエロい~!」


 きゃいきゃいと盛り上がる女子の一方で、男子たちは唇を噛み切ったせいでボタボタと血を垂らしていた。


「……おい、幸雄くん」


 僕は立ち去ろうとした所、秀彦に捕まってしまう。


「え、何かな?」


「お前これ以上、俺たちを苦しめて楽しいか?」


「いや、僕はそんなつもりなんて……」


「幸雄よ、もう俺たちは怒ったぞ」


 クラスの男子たちは皆、ギラつく目で僕を睨んでいる。


 あ、これはもう、軽く死んだな。


 僕は半ば覚悟を決めた。


「ちょっと~、やめてよ~! ダーリンをいじめないで~!」


 バルルルル~ン!


 遥花の爆乳が水風船のごとく揺れまくった。


「「「グハアアアアアアアアアアアァ!?」」」


 そして、男子たちは一斉に鼻血を噴き出して倒れた。


「ちょっと、男子キモいんだけど~!」


「ちゃんと、自分らで掃除してよね~!」


 女子たちから非難を浴びまくる。


 何て言うか……可哀想だな。


「ねえ、幸雄。今日の放課後、スーパーに寄っても良い?」


「え、良いけど」


「やった。今日の夜はハンバーグを作るから、楽しみにしていてね♡」


「うわぁ、楽しみだなぁ」


 僕と遥花の夫婦トークを聞いて、女子は微笑ましく見守り、男子たちは歯ぎしりをしながら睨んでいた。




      ◇




 買い物袋をドサッとテーブルに置いた。


「ふぅ~、幸雄。お疲れさま♡」


「いやいや、これくらいどうってことないよ」


「さすがダーリン♡ じゃあ、早速ハンバーグを作るね♡」


「僕も手伝おうか?」


「ううん、大丈夫。幸雄は待っていて♡」


「分かったよ」


 それから、僕は適当にテレビを見て夕飯が出来上がるのを待っていた。


「お待たせ、出来たよ♡」


 そして、僕の目の前に出来上がったハンバーグが置かれる。


「こ、これは……」


 皿に盛られていたのは、二つのハンバーグ。


 それは決しておかしい訳じゃない、普通に美味しそうなハンバーグ。


 ただ、形がちょっと……真ん中にちょん、とケチャップがあるのも……


「……遥花さん、これってもしかしなくても……おっぱいですか?」


「うん、そうだよ♡」


「また食べ物で遊んだのか。イケナイ子だな」


「でもね、今日は前と違うよ。ほら、いつもあたしの大きなおっぱいで困らせちゃっているから、たまには小さいおっぱいもどうかなって」


「確かに小さいけど……」


 僕はパクっとした。


「肉厚だね」


「やん、もうエッチ♡」


「いや、君に言われたくないから」


「じゃあ、もう食べなくても良いよ?」


「ごめん、美味しいから食べます」


「うふふ♡」


 微笑む遥花に見守られながら、僕はそのハンバーグをぺろりと平らげた。


「ごちそうさま。美味しかったよ」


「良かった~。あ、デザートもあるよ」


「へえ、何かな?」


「プリンだよ。ちょっと待っていて」


 遥花はルンルンステップしながら用意してくれる。


「はい、どうぞ♡」


 満面の笑顔で出されたのは、二つのプリンだ。


「遥花さん……」


「えへへ、小ぶりなおっぱいだよ♡ 可愛いでしょ?」


「……ちょっとビンタしても良い?」


「え~、ひどい!」


「おっぱいを」


「なら大歓迎♡」


 その後、僕はちょっとだけ遥花にお仕置きをした。


 パンパンパンパァン!


「ああぁ~ん♡ そんなに強くおっぱいを叩かないで~!」


 まあ、可愛いから全然許すんだけどね。







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