63 おっぱいが大きいことの苦労

「うーん、気持ちの良い朝だ~!」


 遥花はベランダでぐっと背伸びをして言う。


「良かったね、喉の調子が戻って」


「うん。今日からまた、幸雄とのエッチで大きな声を出せるよ♡」


「あはは……」


 前のアパートに居た時から、僕と遥花は半同棲みたいなものだった。


 けれども、このマンションに引っ越して夫婦さながら、一緒に暮らすようになって気付いたことがある。


 それは……


「きゃっ! もう~、エレベーターのドアにおっぱいが挟まっちゃったぁ!」


 あんなことや。


「きゃっ! もう~、おっぱいに洗剤がついちゃう~!」


 こんなことや。


「遥花、ちょっと良い……」


「なに、ダーリン?」


 くるん、ブルン、バシン!


「ぐはッ!?」


「きゃっ! ダーリンをおっぱいでビンタしちゃったぁ!」


 そう、日常生活において、遥花の特大のおっぱいは色々と弊害を生んでいた。


 巨乳の女子はそうじゃない女子から羨ましいと言われるし、男子からも羨望の眼差しを集めてやまない。


 けれども、色々と苦労が多いことを改めて知った。


「ていうか、今さらだけど、遥花ってよくコケないよね」


「えっ?」


「だって、そのおっぱいだと、足下が見えないでしょ?」


「うん。でも、もう慣れたから。それに、しょっちゅう転んでいるとドジっ子みたいでしょ? これ以上、属性を増やすのはどうかな~って」


「属性て」


「確かに、このおっぱいのせいで色々と苦労は多いけど……大好きな幸雄にたくさん喜んでもらえるから、嬉しいんだ♡」


「は、遥花……ていうか、また大きくなった?」


「まあね。でも、3cmだけよ?」


「さ、3cmって……このサイズでの+3cmは凄すぎるから。ていうことは……」


「ワンオーエイト♡」


「もはや、僕の手に余りまくるんだけど。いっそのこと、他の誰かにおすそ分けをした方が良いのかな?」


「何よ何よ~! 愛しい嫁をNTRされたいのか~?」


「NTRとか簡単に言わないで。そんな訳ないでしょ。遥花は僕だけの遥花なんだから」


「幸雄……♡ もっと大きくなった遥花のおっぱい、吸いたい?」


「でも、また大きくなっちゃうしな~……吸おうか」


「うふ、良いよ♡」


 しばしご歓談を。


「……はぁ、はぁ……もう、ダーリンってば。強く吸い過ぎ♡」


「いや、ごめん。何だかんだ僕も男だから、そんな爆乳を見せられたら……」


「とりあえず、オールワンまでなら許してくれる?」


「オールワンかぁ……ていうか、まだ成長する気?」


「だって、勝手に大きくなるんだもん♡」


「じゃあ、これ以上は成長しないように、唐揚げは禁止ね」


「え~、あたし唐揚げ好きなのに。あと、キャベツも♡」


「それだよ! モロにおっぱいを育てる食べ物じゃないか!」


「あと、毎日欠かさず、おっぱいストレッチもしているし♡」


「それだよ! やっぱり積極的におっぱいを育てているじゃないか!」


「はぁ~、おっぱいが大きいのって大変だなぁ~」


「遥花さん……頼むから、あまりエッチなことを言って、僕をムラムラさせないでくれ。僕だって、年中発情期のチンパンジーになりたくないんだ」


「良いじゃない、年中発情期の夫婦って、素敵でしょ?」


「そうなのかなぁ? ちょっと下品じゃない?」


「じゃあ、上品にエッチをしましょう? オホホ」


「オホホって……そういえば、遥花ってお嬢様とか言われていたよね」


「うん、パパがエリートさんでお金持ちだから。でも、そんなマンガに出て来るような令嬢とかみたいじゃないけどね、オホホ」


「オホホはやめて。何かイラつくから」


「ひどい」


「僕はいつものラフで自然な遥花が好きなんだよ」


「そうだね。Tシャツの方がおっぱいエロく見えるもんね」


「遥花ぁ?」


「きゃ~、ダーリンごめんなさい~。おっぱい揉んで良いから許して~!」


 その後、僕はますます成長が止まらない遥花のおっぱいで遊びまくった。


「そういえば、ご近所さんの子供が遥花のことをおっぱいオバケって言っていたよ」


「ひどい~! じゃあ、今日から胸ヤセするもん!」


「いや、僕はおっぱいオバケな遥花が好きだから」


「じゃあ、今のままでいっか♡」


 僕らの偏差値がどんどん下がっていないか心配だ。







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