61 声が出なくても、彼女のおっぱいは元気いっぱい

 ラブラブな二人がきれいな新居に引っ越して幸せ……なんだけど。


「…………」


 遥花はマスクをしていた。


 ただ、風邪を引いている訳じゃない。


 このマンションは、当然ながら前のアパートよりも壁が厚い。


 だから、遠慮なしに声を出せる。


 まあ、元から遥花はそんなに遠慮していなかったけど(山本さんごめんなさい)。


 春休みにこの新居に越して来てから、遠慮なしに声を出せるのがよほど嬉しかったのか、遥花は思う存分、僕とのエッチで叫びまくった。


 そのせいで、喉が枯れてしまったのだ。


「遥花、大丈夫?」


 僕が言うと、彼女はコクリと頷く。


 すると、自分のおっぱいを指差す。


「え、触れって?」


 コクコク。


 僕は少し戸惑いつつも、遥花のおっぱいに触れる。


 相変わらず大きくて、ハリがあって、弾力もあって、柔らかくて、最高のおっぱいだ。


 すると、遥花は少し得意げな顔になる。


「ああ、うん。おっぱいはいつも通り、絶好調だね」


 遥花はニコリと笑うと、その場で飛び跳ねておっぱいをブルンブルン!と揺らす。


 さらに、テンションが上がったせいか、その勢いで僕をおっぱいでビンタする。


「いたっ、きもちっ」


 そんな風に戯れつつ、僕は遥花と朝ごはんを食べる。


「…………♡」


 マスクは取ったけど、遥花は声を出すのを控えている。


 笑顔で僕にあーんをして来た。


「あーん」


 僕はパクっと卵焼きを食べる。


「うん、美味しい」


 僕が言うと、遥花はニコリと笑う。


 そして、自分の唇を指差す。


「はいはい」


 そして、僕はお返しにあーんをしてあげた。


 遥花は同じく卵焼きをパクっと食べる。


「これで満足してくれた?」


 しかし、遥花は首を横に振る。


 そして、また箸で卵焼きをつまむと、今度は普通に自分で食べる……かと思いきや。


 半分だけ口に咥えた状態で、僕の方にキスをするかのごとく、目を瞑って迫って来た。


「分かったよ」


 僕は遥花の気持ちを汲んで、もう半分を咥える。


 卵焼きはそんなに長くも大きくもないから、すぐにお互いの唇が触れ合う。


 ちゅっ、ちゅと。


 今日の卵焼きは甘口な味付けだったので、キスの味がより甘く感じた。


 少し遅めの朝食を終えると、リラックスタイムだ。


 二人でソファに座ってくっついていると、遥花がおもむろに立ち上がる。


 そして、なぜか空になったペットボトルを持って来た。


「それをどうするの?」


 遥花は少し笑いながら僕にそれを渡す。


 それから、また自分のおっぱいを指差した。


 ああ、そういうことか。


「ちょっとだけだよ?」


 僕が言うと、遥花は笑顔で頷く。


 少し、ドキドキ興奮しているようにも見えた。


 僕は空のペットボトルで遥花のおっぱいを叩く。


 パシ、パシ、と。


 遥花は軽くビク、ビクとしながらも、何だか楽しそうだ。


 僕は彼女を飽きさせないように、上から叩いたり、横から叩いたりと。


 さすがに先端には触れちゃいけないと思ったけど」


「…………♡」


 遥花がとても物欲しそうな目をしていたので。


 持ち手を変えて、キャップの方でぐっと押して上げた。


「……んあっ!」


 少し掠れた遥花の声が漏れてしまう。


 僕と彼女はお互いにシーッとした。


 喉はいたわらないとね。


 それからも、二人でのんびりと過ごして……


 あっという間に夜を迎える。


 僕らはベッドの上でキスをしていた。


「…………♡」


「でも、遥花。またうっかり声を出さないかな? やっぱり、やめておく?」


 僕が心配して言うと、遥花は必死に首を横に振った。


「そんなにエッチがしたいの?」


 遥花は激しく頷く。


「分かったよ。じゃあ、うっかり声を出さないように、タオルで口をしばろうか。


 結局、前の壁が薄いアパートと同じような形でエッチをする自分たちがいた。







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