48 お正月でも相変わらず……

 せっかくの新年。


 晴れ着になった遥花と一緒に初詣にでも行こうかと思ったけど。


 僕らは寝正月を過ごしていた。


「んっ……あっ……はんっ……」


 遥花の甘い声が僕の脳みそをとろかす。


「幸雄、ダメ……お雑煮を食べないと……せっかくのお正月なんだから」


「遥花を食べたい……」


「あん、ダーリン……あんっ♡」


 年をまたいだハイテンションで散々した後にぐっすりと寝て。


 そして今もまた、布団から出ずにずっと二人でくっついていた。


「もっと遥花をぎゅっと抱き寄せたいけど……胸が大きすぎて難しいな」


「やん♡ まさか、こんな形でおっぱい大きいのが不利に働くなんて……おっぱい痩せるためのダイエットしようかな」


「えっ」


 僕が目を丸くすると、遥花はくすりと笑う。


「冗談だよ♡ もう、ダーリンってば焦り過ぎ♡」


「あはは、ごめん。こんな素晴らしいおっぱいを無くさないで欲しいなって思って」


「幸雄……♡ 安心して、遥花のおっぱいはずーっと幸雄のモノだよ♡」


「わぁい」


 僕は遥花のデカすぎるおっぱいに顔をうずめる。


 その圧力によって、軽く窒息しかけた。


「ぷはっ……このおっぱいは人を殺せるよ。色々な意味で」


「やだ、幸雄は死なないで」


「冗談だよ。じゃあ、、そろそろ布団から出て……」


 僕が起き上がろうとした所、遥花に腕を掴んで止められる。


「えっ?」


「もう1回戦♡」


「全く、遥花は本当にエッチな子だな」


「幸雄に仕込まれた♡」


「仕込まれたって……元からだろ」


「元からエッチだったけど。幸雄に仕込まれてさらにエッチになったの♡」


「はぁ……正月からこんなにしてバチが当たらないかな」


「大丈夫だよ。神様もきっと見守ってくれているよ♡」


「それは何か嫌だな」


 とか言いつつ、また遥花と布団にもぐる。


 1回戦のはずが、気付けばまた5回戦をしていた。




      ◇




 日はすっかり暮れていた。


「ねぇ、遥花」


「なに、ダーリン?」


「その格好で寒くないの?」


 遥花はエプロン姿で台所に立っている。


 ただし、裸の上にエプロンを着ている。


「えへへ♡ ちょっと寒いけど、幸雄に可愛く見られたいから」


「可愛いと言うか……エロいんですけど」


「エロ可愛い?」


 遥花はこちらに顔だけ振り向き、いたずらな笑みを浮かべる。


「うん、遥花はエッチで可愛い子だよ」


「やった、ダーリンに褒められた。ねえねえ、お尻触っても良いよ?」


「いや、料理中だし」


「だからこそよ。ほら、前にもしたでしょ?」


「じゃあ、ちょっとだけだよ?」


 僕は立ち上がると、遥花に歩み寄る。


 間近で見ると、はち切れんばかりの爆乳を持つ遥花の裸エプロンは、破壊力抜群だ。


 普段からずっと一緒に居て耐性のある僕ですら、油断をすると鼻血が出そうなくらい。


 もし、他の男子たちが目の当たりにしたら軽く血の海が出来上がるだろう。


「遥花は正に男殺しのボディを持っているよね」


「え、何で? 幸雄は死んじゃ嫌よ」


「僕は死なないよ」


「あっ……お尻……優しくナデナデされると……幸せ」


「じゃあ、もっと幸せになろうか」


「やっ……耳……甘噛みされてる……んあっ」


「それから忘れちゃいけないのが……」


「ひゃんっ……おっぱい……揉まれてる~」


 僕は耳、胸、尻の3点を同時に攻めていた。


 遥花は甘い声で身悶えをする。


「もう、お料理が進まないぞ、ダーリン?」


「ごめん、結構つまみ食いをするタチなんだ」


「悪い子ね♡」


「と言うか、遥花から欲しがったんでしょ?」


「欲しがるとか……ゾクゾクしちゃう」


「ねえ、どうやったら遥花はエッチな子じゃなくなるの?」


「何でそんなこと言うの?」


「君といると、いくら輸血しても足りなくなりそうだから」


「うふふ、あたしは吸血鬼です、がおー」


 遥花はおどける。


「がおーはライオンでしょ」


「肉食女子です♡ カッコ、彼氏限定の♡」


「僕は君に食われちゃうのか。まあ、それも人生だよね」


「悟っているね♡」


「けど、遥花は白人の血を引いているから、お尻が白くてもっちりしていて……おもちみたいだね」


「食べる?」


「少しだけ」


 かぷっ。


「あっ……エッチ♡」


 そうこうしている内に、鍋の蓋がコトコトとなる。


「お雑煮が出来たよ♡」


「そっか。でも、まだ遥花を食べていたいな……なんて」


「もう、バカ♡ あたしはデザートなの♡」


「そっか……じゃあ、生クリームを用意しておかないと」


「ちゃんと冷蔵庫に入っているよ♡」


「自分で用意してくれたんだ。やっぱり、遥花はエッチな子だね」


「何でそうなるのよ、幸雄のエッチ♡」


 そんなやり取りが続いたせいで、お雑煮が少し冷めてしまった。







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