46 過去最高なクリスマス

 色鮮やかに輝くイルミネーションが眩い。


「幸雄ぉ~」


 こちらに笑顔で駆け寄って来る彼女の姿を見つけた。


「遥花」


 少し息を切らせた彼女が僕のそばに来た。


「ごめんね、遅くなって。おめかしに時間が掛かっちゃって……」


「うん、すごく可愛いよ」


「本当に? 嬉しい」


 遥花はニコリと微笑む。


「じゃあ、行こうか」


「うん♡」


 遥花はむぎゅっと僕の腕に抱き付く。


 豊満な胸に腕を挟まれながら、僕は遥花とクリスマスに彩られた街を歩いて行った。




      ◇




「わぁ、素敵なお店」


 テーブル席に座ると、遥花は目を輝かせて言う。


「高いんじゃない? このお店」


「うん。でも、遥花と一緒に過ごす初めてのクリスマスだから」


「幸雄……」


「それから、これはプレゼントだよ」


 僕はリボンをあしらった箱を渡す。


「わぁ、嬉しい。開けても良い?」


「うん」


 遥花はリボンをきれいに解いてパカっと箱を開ける。


「わぁ、可愛い~。ハート型のネックレスだぁ」


「遥花に似合うかなと思って」


「嬉しい、ありがとう。もう付けちゃおうかな」


 遥花は嬉しそうに言いながらネックレスを付ける。


「どうかな?」


「思った通り、似合っているよ」


「えへへ♡」


 遥花は微笑みつつ、


「じゃあ、あたしも愛するダーリンにプレゼント♡」


 そう言って、少し大きめの袋を渡してくれる」


「これは何だろう?」


 僕はその中身を取り出す。


「あっ、マフラーだ。可愛いねぇ」


「本当に? 実はそれ……あたしの手編みなの」


「えっ? 本当に?」


 目を丸くして言う僕の前で、遥花は照れたように頷く。


「ありがとう、遥花。一生の宝物だよ」


「うん。あたしのことも、一生大切にして欲しいな……なんて」


「は、遥花……」


 ちょうどそのタイミングで料理が運ばれて来た。


「じゃ、じゃあ、食べようか?」


「う、うん」


 とても美味しそうな料理だけど。


 正直、お互いによく味が分からなかった。




      ◇




「んっ……はっ……」


 アパートに着くなり、僕らはシャワーも浴びずに互いを求め合っていた。


 今日はクリスマス。もっとしんみりと、ゆっくり愛を育もうと思ったのに。


 お互いに想いが溢れて、激しく求め合ってしまう。


「あッ!」


 僕が胸を揉むと、遥花が声を出した。


「ごめん、痛かった?」


「ううん……興奮しちゃって」


「じゃあ、このまましても良い?」


「うん……今日は思い切り抱いて」


 遥花が笑顔で両手を広げて僕を受け入れてくれる。


「あっ、幸雄……」


 遥花の甘い声に、僕の思考もとろけて行った。




      ◇




 布団の上で二人、裸のまま手を握り合っていた。


「……遥花、大丈夫だった?」


「……え?」


「ほら、過去最高に揺れまくっていたから……」


「うん、平気よ。この冬に入っておっぱいを鍛えていたから。おかげで幸雄に激しくガンガン揺らされても大丈夫♡」


「は、遥花……」


「ねえ、ダーリン♡ もっとシたいなぁ~」


「僕もだよ」


 見つめ合うと、お互いにキスをした。


「あ、今さらだけど。山本さんに聞こえちゃっているかな?」


「大丈夫だよ。山本さん、今日は彼氏とデートらしいから」


「あ、そうなんだ」


「何かね……『ウチらはホテルに泊まるから、おっぱいちゃん達はいーっぱいラブラブちゅっちゅしなさい』……だって」


「あ、ありがたいお気遣いで……」


 僕は苦笑する。


「ダーリン、むちゅ~」


「あ、遥花」


「え、何?」


「一緒にお風呂に入らない? ほら、もう軽く5回戦はやったし」


「そうね……じゃあ、お風呂でリフレッシュして、もう5回戦やりたいな♡」


「いや、それはちょっと無理かな」


 僕が言うと、遥花が少し悲しそうな顔になる。


「何で?」


「いや、今日はクリスマスだし、遥花が可愛過ぎて……裸で僕のネックレスだけ付けた状態とかエロ過ぎて……たぶん、もう5回戦じゃ収まらないと思う」


「ゆ、幸雄……もう、エッチなんだから♡」


「遥花に言われたくないよ」


「じゃあ、今日は……一晩の最高記録を更新しちゃう?」


「うん。遥花のおっぱいがちぎれちゃうくらい、ハッスルしようかな?」


 僕が少し冗談交じりに言うと、


「もう、ダーリンのバカぁ!」


 思い切りおっぱいでビンタをされた。


「ふぐっ」


 痛さよりも幸せが圧倒的に勝っていた。







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