41 この二つの巨大な山をどうやって攻略するべきか……
楽しかった修学旅行も終わり、秋の終わりが近付いていた。
「もうすぐ冬が来るね」
「そうだね」
休日のこの日。
いつものように、遥花のアパートに来ていた。
「遥花は寒くない?」
「うん。ココにいっぱい脂肪が詰まっているから♡」
そう言って、遥花はむにゅっとご自慢のおっぱいを見せつける。
「ハハ……けど、この秋は色々と満喫したよね。スポーツに読書に芸術に……」
「そうね……けど、まだやり残していることがあるよ」
「え、何?」
「食欲の秋♡」
そう言って、遥花は立ち上がり冷蔵庫に向かう。
そこから何か大皿を抱えて戻って来た。
何やら、大きな物が乗っているけど……
「ジャーン!」
デデン!と置かれたのは、オムライスだった。
けれども、ただのオムライスじゃない。
それは二つの山で出来ていた。
とてもドデカイ山。
つまりは、とても大きなおっぱい型のオムライスだ。
それを前に唖然とする僕に対して、
「ほら、文化祭の時に行ったでしょ? 今度、幸雄にあたしのおっぱいをモデルにした『おっぱいオムライス』を作ってげるって♡」
「た、確かに言ったけど……デカ過ぎない? これ、ちょっとした大食いチャレンジだよ?」
「安心して、制限時間は無しだから」
「つまり、食べ切るまで終われないと」
「何よ、食べたくないの? 大好きな彼女のおっぱいでしょ?」
「まあ、そうだけど……」
こ、これは何ともはや……」
「ちょっと待っていて。レンジでチンするから♡」
遥花はウキウキしながら特大の『おっぱいオムライス』を持って行く。
「あれ、大きすぎて入らない……んっ、入った」
何か、電子レンジが軽く悲鳴を上げているような気が……
「お待たせ♡」
ホカホカと湯気が立つおっぱい……もとい、オムライスがそこにあった。
「ケチャップで、ちょんちょん♡」
あぁ~……
「スプーンをどうぞ♡」
どうやら、逃げ道はないらしい。
「さあ、召し上がれ」
飛び切りの笑顔で遥花は言う。
「……じゃあ、いただきます」
ていうか、どこから食べれば良いんだ?
いきなりてっぺんを攻めるのはまずいから……とりあえず、端の方から。
スプーンで切り分けて……
「んあっ!」
「えっ?」
いきなり声を出した遥花を見て目を丸くする。
「は、遥花?」
「ハァハァ……言い忘れていたけど、この『おっぱいオムライス』とあたしのおっぱいは連動しているから……気を付けて食べてね?」
な、何じゃそりゃ~!
ますます難易度がアップしたじゃないか!
「さ、さあ、幸雄……気にしないで、ドンドン食べて♡」
「あ、うん……」
僕は一口大に切り分けたオムライスを食べる。
「はぁん!」
また遥花が悶えて……
「……ど、どう? 美味しい?」
「う、うん。さすがだね」
「えへへ♡ もっと食べて……あたしのおっぱい」
「オムライスだよね?」
「そうだよ♡」
あくまでも笑顔を貫く遥花にたじろぎながら、僕はまたオムライスにスプーンを入れる。
「くっ……ふあああああああああぁん!」
「ちゃ、ちゃんと優しくしているよ?」
「う、うん……良いよ、食べて?」
僕はパクリとする。
「んあああああああああああああああぁん!」
これはもう、ご褒美なのか罰ゲームなのか分からない領域だな。
「ていうか、まだいっぱいあるな~」
「うん。だから、いっぱいおっぱい味わってね♡」
このオムライスと遥花のおっぱいが連動しているシステムを知ってしまったら、絶対にケチャップでちょんとされた頂上を攻めることは出来ない。
だから、僕はひたすらに端の方から攻めて行く。
「んっ、あっ……す、すごい……幸雄があたしのおっぱいをパクパク食べて……興奮しちゃう」
落ち着け、落ち着くんだ。
遥花がエロいのは今に始まったことじゃない。
普段は賢いけど、こんな風にエロバカ具合を発揮するのも日常茶飯事じゃないか。
ちなみに、僕は先ほどから賢者モードを使用している。
だが、それにも関わらず……
「ふああああああああああぁん!」
遥花の
クソ、僕もまだ修行不足だな……いや、遥花がエロ過ぎるんだ。
「ハァハァ……あと少しだね、幸雄」
「あ、うん」
目の前にあるのは、頂上付近の部分だけだ。
その二つの目がじっと僕を見つめている。
チラと遥花を見ると、何だか期待するような目を僕に向けていた。
どちらにせよ、進むしかない。
一刻も早くこの甘い苦行を終えるために、僕はその二つの山頂を同時に食べた。
瞬間、遥花はとてつもない声を響かせた。
分かり切っていたことだけど……
「ハ~ッ……ハ~ッ!……この前の沖縄でのゴーヤもすごかったけど……今回もすごかったよ♡」
「……良かったね」
その後……
「いやー、私は全然良いんだけどさ。最近のおっぱいちゃんはちょっと遠慮がないから、ちゃんと注意しておいてね」
「すみません……」
お隣の山本さんに軽く怒られてしまった。
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