30 内緒のトレーニング♡

「んっ……あっ……」


 息を切らす遥花の声が口の端から漏れる。


「大丈夫、遥花?」


「う、うん……ちょっとキツいけど……あっ!……幸雄が優しく声を掛けてくれるから……頑張れるの……んあッ!」


「遥花、無理しなくて良いよ」


「大丈夫……幸雄、ごめん。もうちょっと、強くしてもらっても良いかな?」


「分かった……こう?」


「うん、ギュッとして……んああぁッ! はぁはぁ……あと少しで……」


 額に汗を浮かべた遥花は歯を食いしばり、最後の時を迎える。


「んあああああああああああああああああああああぁん!」


 そして、バタッと仰向けに畳に倒れた。


「はぁはぁ……」


「遥花、大丈夫?」


 僕は彼女の足を抱えながら言う。


「……ごめん、ちょっと休ませて」


「けど、どうしてまた筋トレなんて始めたの?」


 僕は寝ころんで呼吸を整えている遥花に言った。


「だって、もっとシェイプアップしたいし」


「前にもダイエットするとか言ったけど、遥花は今のままで十分だからね」


「そうだけど……でも、やっぱり憧れちゃうの。割れた腹筋とか」


「え、シックスパック?」


「そんなバキバキに割らないわよ。ちょっと筋が入っている的な?」


「ああ、なるほど」


 ちなみに、今の遥花はTシャツに半ズボンというラフな部屋着だ。


 彼女の呼吸に合わせて、大きな胸が大きく上下している。


「安心して、ちゃんと胸は大きいままを維持するから」


「あ、うん。けど、最近また大きくなりすぎているから、ちょっとダイエットしても良いかも」


「おっぱい星人の幸雄が珍しい」


「それ言うのやめて」


 僕は苦笑する。


「けど、幸雄は細マッチョよね」


「そうかな? まあ、鍛えているし」


「割れた腹筋とか素敵よ。いつもエッチの時に興奮しちゃうもの」


「うん。けど、あまり舐めないで欲しいかな」


「何でよぅ~」


 遥花は口の先を尖らせる。


「で、もうやめるの?」


「ううん、まだする」


 遥花は体を起こした。


「腹筋の次は腕立て伏せよ。胸回りの筋肉を鍛えて、しっかりおっぱいを維持するから」


「確かにこの大きな胸を支えるには、それなりの筋肉が必要だろうね」


「うん、ちゃんと鍛えれば肩こりも解消されるだろうし」


 そう言いながら、遥花は腕立ての体勢に入る。


「そういえば、スポブラは付けないの?」


「うん。だって、幸雄にアピールしながら楽しく筋トレしたいもん♡」


「不純だなぁ」


「何でよぅ~」


 遥花はまた唇を尖らせる。


「行くよ、せーの……んっ、あっ!」


 遥花は息を荒げながら腕立てをする。


「苦しそうだね」


「うん、だって……おっぱいが重いんだもん」


 確かに、Tシャツの隙間から激しく胸チラしているけど。


 重力に引っ張られる遥花のおっぱいが何かすごい。


「幸雄、おっぱい支えて」


「え? それって意味あるの?」


「良いから、ちょっと試してみて」


「わ、分かったよ」


 僕は戸惑いながらも、汗を流して腕立てをする遥花のおっぱいに下からそっと触れた。


「んっ……幸雄におっぱい触られた」


「いや、遥花が触ってって言うから」


「そうだけど……はっ……何か、おかしくなっちゃいそう」


「それはこっちのセリフだよ」


 しまった。両手が塞がっているから、鼻血が出たとしてもダダ漏れになってしまう。


「遥花、早く終わらせてくれ」


「待って……んぁ! あと、少し……だから」


 遥花はプルプルとしながら腕立てをする。


「じゅう……ご……あっ! じゅう……ろく……んぁ!」


 ちなみに、目標の回数は20回です。


「じゅう……なな……はッ! じゅう……はち……んん! じゅうく……あはッ!」


「よし、ラストだ! 頑張れ、遥花」


「ゆ、幸雄……おっぱい、ギュッて強く揉んで」


「え? でも……」


「良いから、お願い……」


「わ、分かった」


 僕は遥花に言われた通り、ギュッと強くおっぱいを揉んだ。


「にじゅうううううううううううううううううううううぅん!」


 遥花は大きく声を響かせながら目標を達成した。


 そして、バタリと畳に沈む。


「ハァー……ハァー……」


 疲労困憊の遥花を見て、僕は台所の流し台に行ってコップに水を注いだ。


「遥花、飲める?」


「う、うん……ありがとう」


 遥花はフラフラの状態で受け取り、ゴクゴクと水を飲む。


 疲れているせいか、水がダラダラとこぼれた。


 ただし、畳を濡らすことはなく、濡れたのは大きすぎるおっぱいだけだ。


「遥花、大丈夫?」


「ううん、もうダメ……こんな疲れるシェイプアップは嫌だ」


「そうだね。無理は良くないよ」


「うん、だからね。自分に合った方法でやる」


「え?」


 遥花は汗だくになったTシャツを脱ぎ捨てた。


 まさか……


「ドーン」


 案の定、僕は遥花に押し倒される。


「は、遥花さん?」


 僕にまたがった遥花はぺろりとする。


「じゃあ、幸雄の引き締まったボディを食べても良いかな?」


「えっと……先にシャワーを浴びた方が良いんじゃない?」


「やだ、待てない♡」


 結局、遥花はいつも通りエッチな女の子だった。







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