14 保健室で彼女と……寝ちゃう?

 季節は衣替えの時期。


 男子は女子の薄くなった制服に心を奪われ、透けるブラジャーに心を弾ませることだろう。


 胸の大きい女子はその標的である。


 特にJカップの爆乳を持つ遥花は全校男子からその熱い眼差しを送られる。


 しかし……


「……む、胸が隠されている」


 男子たちは絶望した。


 遥花は体育の授業以外でも、普段から学園生活においてスポブラを装着していた。


 だから、男子たちの儚い夢は散ってしまう。


「なあ、遥花」


 いつも通り、二人で屋上のベンチに座って弁当を食べていた時のこと。


「なに、幸雄?」


「ずっとスポブラを付けていて苦しくないか?」


「まあ、正直ちょっとね。でも、幸雄以外の男におっぱいを見られたくないから」


「その気持ちは嬉しいけど。僕は遥花の体調が心配だよ。何か心なしか、顔色も悪いみたいだし」


「大丈夫だって。慣れればへっちゃらだよ」


「そうかな?」


 心配そうに見つめる僕に対して、遥花はニコリと笑う。


「安心して。後で家に来たら、幸雄だけには夏の制服おっぱいを見せてあげるから」


「あ、ありがとうございます」


 僕はドギマギしながらそう言った。




      ◇




 午後の授業はどうしても眠くなりがちだ。


 けれども、僕は前回の中間テストでクラス一番だった責任感から、周りの生徒たちがスヤスヤ眠っていても真面目に授業を受けていた。


 ふと隣の席を見ると、遥花が突っ伏していることに気が付く。


 珍しい。いつもは真面目に授業を受けているのに、眠くなったのかな?


 けれども、遥花の吐息が荒く、こちらに向けた顔が少し青ざめていた。


「遥花、大丈夫?」


 遥花は吐息を荒くしたまま、まともに答えられない。


「先生、すみません! 橘さんの具合が悪そうなんで、保健室に連れて行きます!」


「そ、そうなの? 分かりました」


「さあ、遥花」


 僕は肩を貸してやりながら遥花を立ち上がらせる。


 教室内が少しザワつく中、僕らはその場を後にした。




      ◇




 保健室にたどり着くと、遥花をベッドに寝かせた。


「少し休めば大丈夫だと思うわ」


 保健室の先生が言う。


「じゃあ、私はちょっと席を外すから」


「あ、はい」


 保健の先生は出て行った。


「……幸雄、ごめんね」


 遥花は布団をかぶりながら言う。


「気にしないで」


「うん……やっぱりね、ちょっと無理していたみたい」


「そっか。今だけでも外したら?」


「……じゃあ、手伝って」


 言われて、僕はドキリとする。


 しまった、保健室の先生がいる内にしてもらうべきだった。


「いつもあたしを脱がせているんだから、そんなに恥ずかしがることないでしょ?」


「ま、まあ、そうだけど……」


 遥花はベッドの上で体を起こす。


「あ、カーテンを引かないと」


 僕はシャっとカーテンを引いた。


 それから、遥花のブラウスのボタンを外してあげる。


 段々と露わになっていく遥花の白い肌を見てドキドキが止まらない。


 ブラウスを脱ぎ終えると、スポブラに手をかけた。


 ゆっくりと脱がせると……


「……あっ」


 開放感からか、遥花は吐息を漏らす。


「す、少しは楽になった?」


「うん、ありがとう……」


 まだ頬を赤らめたままの遥花が言う。


 僕は目のやり場に困ってしまう。


「とりあえず、ブラジャー無しだけどブラウスを着るしかないね」


「うん……エッチなことしなくて良いの?」


「している場合じゃないだろ」


「そうだね」


 遥花は軽く舌を出しながら、再びブラウスを身に纏う。


 僕はこれで少しだけ安心出来ると思ったが……


「……ぶふっ!?」


「どうしたの、幸雄?」


 肝心なことを忘れていた。


 ノーブラ状態でブラウスを着ることによって、遥花のイケナイ突起が浮き上がっていた。


 これは先ほどの上半身裸の状態よりも、何だかエロい。


 正直、興奮してしまう……って、言っている場合じゃない。


「ほ、ほら、遥花。早く横にならないと」


「……おっぱい見てるっしょ?」


「良いから、早く」


「ふふふ」


 遥花はくすりと笑いながらベッドに横になる。


「ねえ、このままエッチしたいね」


「いや、それは……」


「正直、興奮しているでしょ?」


「まあ、そうですけど……でも、ダメだから。先生が戻って来たらまずいし、他の生徒が来るかもしれないだろ?」


「うん。でも、カーテンをしているし、ちょっとくらいなら良いんじゃない?」


 遥花は微笑みながら、布団を上げた。


「え?」


「幸雄も眠いでしょ? ちょっとだけ、一緒に寝よ?」


「いやいや、本格的にまずいって」


「別にエッチなことはしないから」


「いやいや、そのシチュがもう十分にエッチだよ」


「ケチ」


 遥花は口の先を尖らせる。


「じゃあ、放課後にまた迎えに来るから。良い子にしているんだぞ?」


「はーい」




      ◇




 そして、翌日……


「「「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」」」


 男子たちは歓喜した。


 なぜなら、遥花が夏の制服おっぱいを解禁したからである。


「すごーい、橘さん。やっぱり大きいね~!」


「ちょっと揉ませて~!」


「ご利益、ご利益~!」


「ちょっ、そんな、幸雄も見て……あっ、あん!」


 制服越しに遥花の特大Jカップが揉みしだかれる。


「あ、ごめんね、黒田くん。彼女さんのおっぱいいただいてまーす!」


「あんたセクハラだよ」


「キャハハ」


「ほ、ほどほどに、お願いします」


 僕は苦笑しながらそう言う。


 周りの男子たちは興奮しながらも、


「「「クソ、女子に生まれたい人生だった……」」」


 と訳の分からない涙を流していた。







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