13 誰も居ない屋上で二人きり……もっと、あたしのことを突いて……

 からっとした気候が清々しい今日この頃。


 僕らの学校では体育祭が行われていた。


「なあなあ、聞いたか。橘さんって、実はヤンキーじゃないんだってよ」


「聞いた、聞いた。ハーフでしかも超巨乳なんだろ?」


「女子の話だとJカップらしいぜ?」


「マジかよ……付き合いてぇ~」


「ああ。でも、既に彼氏がいるらしいぜ」


「何ぃ~?」


 そんな男子たちの視線は体操着に身を包む遥花に釘付けだった。


 その目当てはもちろん、彼女が走ることで大いに揺れるモノだろう。


「位置について、よーい……」


 ピストルの空砲が鳴り響く。


 遥花は滑らかに駆け出し、一気に加速した。


 あれだけのスピードで走ったら、間違いなく遥花のJカップ爆乳は揺れるだろう。


 だが、その胸はピチッと体操服に包まれたままビクともしない。


 そのまま、一着でゴールを駆け抜けた。


 男子たちは大いに期待していた乳揺れを拝むことが出来ずに半ば呆然とする。


 一方、女子たちはそんな遥花に羨望の眼差しを向け、声援を送っていた。


 僕も小さく拍手をしていたら、遥花がこちらに振り向く。


 飛び切りの笑顔でピースサインをしてくれたので、僕は微笑んだ。




      ◇




 午前の部が終了し、昼休みを迎える。


 僕らはいつもと同じように、屋上に来ていた。


「スポブラの着け心地はどう?」


「バッチリだよ。おかげで、エロ男子たちにおっぱい見られなくて済んだし」


「ハハ」


「幸雄も安心でしょ?」


「まあね」


 運動したせいか、遥花の手作り弁当がいつも以上に美味しく感じる。


 普段よりもちょっと豪勢だし。


「大変だったんじゃない? このお弁当を作るの」


「うん、ちょっと早起きして作ったよ。幸雄に喜んでもらいたくて」


 遥花は赤らめた頬を押さえて言う。


「美味しいよ。遥花は本当に良いお嫁さんになると思う」


「なるよ、幸雄のお嫁さんに」


「ま、まだちょっと気が早いかな」


「あ、何よ。大人になる間に、他の女に乗り換えるつもり?」


 遥花がぷくっと頬を膨らませる。


「いや、それはないよ。だって、遥花以上に魅力的な女子はいないし」


「幸雄……さっきから、おっぱいガン見しているけど?」


「あっ」


「あっ、じゃないわよ。ふん、だ。幸雄も所詮は男ね。他のエロ男子と同じで、あたしの胸にしか興味がないんでしょ?」


「そ、そんなことは……ごめんなさい」


 僕は素直に謝った。


 すると、遥花はくすりと笑う。


「ウソ、怒ってないよ」


「本当に?」


「本当よ」


 遥花はニコリと笑う。


「……ねえ、いっぱい動いたせいで、ちょっと汗かいちゃった」


「ん?」


 すると、遥花は体操服の上を脱ぎ出す。


 僕はとっさに両手で目元を隠す。


「な、何をしているの?」


「蒸れちゃうから」


 よいしょ、と遥花は体操服を脱ぎ終える。


 先日、オーダーメイドで手に入れた特注で特大のスポブラ姿になる。


「可愛いっしょ、このデザイン?」


「あ、うん。そうだね」


「けど、蒸れるから外しちゃう」


「うん、そうだね……って」


 遥花はスポブラも脱いでしまう。


 当然、生のおっぱい様が姿を現した。


「は、遥花!? 何をしているの!?」


「大丈夫よ。今ここにはあたしと幸雄しかいないんだから」


 遥花はニヤリと笑う。


「あー、風が気持ち良いなぁ!」


 今の遥花は上半身だけ裸の状態だ。


 最近、全校の男子たちが注目して止まないそのダイナマイトおっぱいを惜しげもなく披露している。


 しかし、すごいな。


 これだけ大きいのに垂れることなく、ムッチリとハリがある。


 きっと遥花のことだから、そのおっぱいを維持するための努力とかしているんだろうな。


 そう思うと、エロ心よりも微笑ましい気持ちが勝った。


 けど、それも束の間。


「ねえ、幸雄……おっぱいあげようか?」


「ぶふっ!?」


 僕は噴き出す。


「正直に言って。あたしのおっぱい、どうしたい?」


「ど、どうしたいって……」


 僕はゴクリ、と息を呑む。


「……さ、触りたい」


「エッチ♡」


「だ、だって遥花が」


「じゃあ、優しく触って?」


 遥花は自らの大きなおっぱいを抱いて寄せながら言う。


 僕はその深すぎる谷間に顔をうずめたい衝動を覚えるが、ぐっと堪えた。


「じゃ、じゃあ指先で失礼して……」


 ちょんちょん、と僕は遠慮がちに遥花のおっぱいをつつく。


 すごく弾力があって驚いた。


「あっ、幸雄に突かれてドキドキしちゃう♡」


「そ、その言い方はやめてよ」


「うふふ、何か楽しい」


 遥花は胸を抱いて優しく微笑みながら言う。


 それからしばらく、僕は指で遥花の胸をつついていた。

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