12 規格外だから……
体育の時間。
それは男子にとって眼福の時間である。
高校生ともなると、女子の発育ぶりはすごい。
特に、昨今の女子高生は平気でFカップを超えてHカップなんて子もいるくらいだ。
「「「おぉ……」」」
思春期まっさかりのエロ男子たちは、揺れて弾む女子のおっぱいに夢中だった。
ちゃんとブラジャーをしていても、揺れるものは揺れるのだ。
中でも凄いのが……
ひときわ成長した胸を揺らす遥花だった。
Jカップという女子高生において規格外の巨乳、というか爆乳がブルンブルンと揺れまくっている。
「「「おおおおおおおおおおおおおおおぉ!」」」
男子たちの歓声もひときわ大きい。
「幸雄、お前の彼女すごいな」
秀彦も鼻の下を伸ばしながら言う。
「うん、まあ」
僕は日頃から遥花の胸を見ているし、実際に触れたりもしている。
けど、こうして体操服に身を包んで揺れる遥花のおっぱいは……またいつもと違った魅力に溢れていた。
実際、本当に溢れてこぼれそうだし。
「ねえ、橘さん。男子たちがみーんな橘さんのおっぱいを見ているよ?」
「えっ?」
「嫌らしいわよね~。彼氏さんも怒っているんじゃない?」
「そ、それは……」
そんな囁き声が耳に届いてきた。
◇
放課後。
「幸雄、一緒に帰ろ」
「うん」
僕はすぐに支度を済ませる。
「良いなぁ、幸雄は。これから橘さんのおっぱいを揉みまくるんだろ?」
「秀彦、うるさいよ」
「はいはい。リア充おつ」
僕は秀彦を初めとした男子たちの羨望の眼差しを受けながら教室を後にした。
校舎から外に出ると、少し弱まった太陽の日差しに照り付けられる。
「……ねぇ、幸雄」
「ん?」
「今日の体育の授業……やっぱり、男子はあたしの胸を見ていたのかな?」
「え? あ、うん……そうだね」
「幸雄は嫌だった?」
「まあ、嫌だけど……仕方ないよね。本当は僕だけのモノにしたいけど」
苦笑交じりにそう言うと、
「じゃあ、これから買い物に付き合って」
「良いけど、何を買いに行くの?」
「ブラジャーを買いに行くの」
「あ、そうなんだ。じゃあ、僕はちょっと入りづらいね」
「大丈夫だよ。行こ?」
僕は半ば遥花に引っ張られる形で歩いて行った。
◇
やって来たのは女性下着の店では無く、スポーツ店だった。
「あれ、ブラを買うんじゃないの?」
「うん、買うよ。スポブラを」
「スポブラ……あぁ、なるほど」
「あたしもさ、他の男子にあまりおっぱい見せたくないし。幸雄だけのおっぱいでいたいから」
「遥花……やっぱりエッチな子だな」
「何でそんなこと言うのよ」
軽く肩をパンチされてしまう。
それから二人でスポブラを探して回る。
「あ、コレかな?」
遥花が目当ての品を見つけたようだ。
「へえ、スポブラってこれのことか。たまにスポーツ番組で女の人が付けて出場しているようね」
「そうそう。ちょっと、試着して来るね」
「うん」
遥花はいくつかチョイスして試着室に入る。
僕は適当に近くの売り場をブラブラしていたのだが……
ひょっこりと遥花がカーテンから顔を覗かせ、
「幸雄、ちょっと来て」
「え、どうしたの?
「良いから」
僕は戸惑いつつも遥花の下に向かい、カーテンから首だけ中に入れた。
「……なッ!?」
僕は衝撃を受けた。
遥花の巨大なおっぱいが、スポブラの中にぎちぎちと収まっている。
今にも破裂しそうなくらいだ。
「い、一番大きなやつを選んだけど、キツくて……無理やり着てみたけど……苦しくて、脱ぎたくても脱げなくて……手伝って」
遥花は涙目で言う。
「ま、待って、落ち着こう。下手にやって商品を傷付けたら大変だし、女の店員さんを呼んで来るから」
我ながら、冷静な判断ができたと思う。
まあちょっとだけ、僕がいじってみたかった気持ちもあるけど。
何かスポブラ結構な値段がするっぽいし。
僕はちょうど近くにいた女性の店員さんを呼んでレスキューしてもらった。
「……うーん、お客様のサイズですと、オーダーメイドになりますね」
女性の店員さんは苦笑かつ、若干の羨望の眼差しを遥花の胸に向けながら言った。
「それって、高いですか?」
「まあ、どうしてもお高くなっちゃいますね」
「そうですか……」
僕はシュンと俯く遥花を見て、
「じゃあ、バイトをしよう」
「え?」
「元々、夏休みにする予定だったし」
僕が言うと、遥花はなぜか首を横に振った。
「え、何で?」
「夏休みはたっぷり時間があるから良いけど……普段は幸雄といる時間が減るからイヤ」
「遥花……」
僕らは一瞬、自分たちだけの世界に入ろうとする。
だが、脇でニコニコしている店員さんを見て赤面した。
「そういうことだったら、このお店でバイトしますか?」
「「えっ?」」
「2日だけ、棚卸で臨時バイトを募集するから。そのお給料でスポブラも買えますよ」
「ほ、本当ですか?」
遥花が目を輝かせる。
「それなら良いかな……幸雄も一緒にやってくれる?」
「もちろんだよ」
僕らは微笑み合う。
「じゃあ、スポブラの注文の手続きと合わせてバイトのそれも済ませましょう。あ、ちゃんと親御さんの許可はもらって下さいね」
「分かりました。あ、遥花は親御さんの許可大丈夫か?」
「うん。パパとママに電話すればオーケーよ」
「そっか」
こうして、遥花の胸の悩みも少しだけ解決しそうだ。
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