11 何でも我慢した後は最高だよね
僕らの学校では、そろそろ中間テストの時期を迎えていた。
たぶん、普通ならカップルで仲良く勉強したりするだろう。
けど、僕と遥花はあえてこの期間、距離を置いていた。
なぜなら、一緒に居たら絶対にエッチをしちゃうから。
遥花はヤンキーと噂をされていた時から、実は成績が良かったらしい。
だから、本人としても成績を落としたくないらしい。
「幸雄と付き合ったから点数が落ちたなんて、嫌だもん」
だそうだ。
真面目というか、がんばり屋というか。
まあ、僕は彼女のそんな所が好きなんだけど。
「じゃあ、幸雄。あたしは先に教室に戻って勉強するね」
「うん、分かった」
「幸雄はゆっくり食べて来て」
遥花はニコリと笑いながら手を振って屋上を後にする。
僕も手を振りながら彼女を見送った。
「……よし、僕も負けていられないな」
彼女と一緒に成長して行こうと決めたんだから。
◇
そして、中間テストの時を迎える。
僕は悶々として勉強に集中できないんじゃないかと心配したが、遥花のことを想うとむしろやる気が出て、かつてないくらいに勉強に集中できた。
また、継続しているトレーニングのおかげで良いリズムが生まれて、ずっと机にしがみついているよりも効率良く勉強をすることが出来た。
その結果……
「……嘘?」
僕は個人に配られるテストの結果表を見て目を丸くした。
なぜなら、僕がクラスで1位。学年でもトップ10に入っていたのだ。
「幸雄」
すると、遥花が隣の席から声をかけて来る。
遥花はチラっと僕に成績表を見せてくれた。
そこにはクラスで2位と書かれていた。同じく、学年トップ10にも入っている。
「遥花」
僕らは何だか嬉しくなって、笑い合った。
すると、遥花がこそっと僕に耳打ちをする。
「……今日の放課後、二人だけで打ち上げをしよ?」
そう言ってから、遥花はニヤリと笑う。
僕はゴクリと息を呑んだ。
◇
アパートの部屋に着くとすぐに、僕らは鞄を投げ置いてキスをした。
「んっ……」
遥花がいつになく積極的にキスを求めて来る。
夢中にキスをする中でしっかりとおっぱいも揉む。
急いで帰って来たせいで、しっとり濡れたブラウスの上から透けたブラジャーが見えてエロい。
久しぶりに触れたせいか、その重量感にある種の新鮮な感動を覚えてしまう。
もっと、遥花が欲しい……
また意図的に敷きっぱなしにしていた布団。
その上に遥花を押し倒す。
「幸雄……」
僕は激しいばかりではなく、緩急を付けようと思った。
親指を起点に、ゆっくりと優しく円を描くように遥花の巨乳を揉む。
「あっ……」
すると、先ほどよりも穏やかな吐息を漏らす。
「久しぶりだから、ゆっくりしよう」
「うん……あのね、あたし思ったの」
「ん?」
「幸雄と距離を置いたことでね、改めて存在の大きさに気が付いたの。幸雄と離れたからこそ、前よりももっと好きになったよ?」
「遥花……僕も同じだよ。今は君が欲しくて欲しくて堪らない」
「あげる……あたしの全部を……余すところなく」
僕は笑顔で答えて、遥花の制服のボタンを外す。
窮屈に締め付けるブラウスをはだけさせ、ブラジャーも外すと、豊満な胸がようやく人心地をついたように、わずかに重力に引っ張られて垂れ落ちた。
「……相変わらず、何てエロいおっぱいなんだ」
「それ、口に出して言わないで。心の中で言っておきなさい」
「ごめん、僕は変態くんだから」
「あたしも、エッチな女の子だよ?」
「じゃあ、お似合いだね」
「うん……シて?」
◇
網戸から入り込む初夏の夜風が心地良かった。
僕たちは少し汗ばんだまま、裸で布団を浅くかぶっていた。
「……幸雄、激しかった」
「遥花こそ……あんなに揺れておっぱい痛くないの?」
「痛いけど……幸雄が喜んでくれるから、我慢する」
「我慢しない方が良いんじゃない?」
「幸雄はまだまだ女心が分かっていないね。女は好きな男に可愛く見られるためなら、オシャレでも何でも、我慢するのよ?」
「だから、テスト期間中もずっとエッチなこと我慢していたんだね?」
「うん……一人で慰めるのも我慢していた」
「そこまで聞いてないけど」
僕が言うと、遥花の顔がボッと赤くなる。
「幸雄のバカ」
遥花がぷいとそっぽを向いてしまう。
「……あ、遥花、見てよ」
「え?」
僕たちは裸のまま布団から出た。
そして、窓の外に目を向ける。
「あ……きれい」
夜空のきれいな星々に僕らの目は束の間、釘付けになった。
自然と、二人で手を繋いでいた。
「……夏になったらさ、天体観測とかしたいね」
「……うん、したいな。早く夏休みが来ないかな」
「……まだ先の話だよ」
「……そうだね。けど、夏休みになったら、今よりもいっぱいエッチができるね」
「……アレを買うお金あるかな」
「……大丈夫、バイトでもして稼ぎましょ?」
「……うん、そうだね」
気が早い僕らは、近い将来の予定を思い浮かべて微笑んでいた。
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