閑話:世界の反応
時はケンタが異世界に来た日に遡る。
ローベルク王国王都ローベルクスにて
1人の男性が王宮の廊下を走っていた。
ある部屋の前で立ち止まり、ノックをしてから入った。
「陛下!」
「何だ、もう夜だぞ宰相。」
「それどころではありません!大至急報告したいことがあります!」
「何だ?暴動か?」
「王都から見て北方向に昼過ぎ、王都の魔力反応石で強大な魔力反応を検知したとのこと!100年周期で現れる魔王が降臨したのかもしれません!」
「な、何だと?ん?いやしかしもうすぐ勇者が神国で召喚されるのではないのか?」
「じ、実は、文献に書いてあるような禍々しい魔力反応は感じられないとのこと。もし、魔王でなくても国家の脅威になり得るかと。」
「そうか、北というとエアフルト公爵家か。無事だといいのだが…。」
「確認を取るにも5日かけて向かわねばなりません。どうしますか?」
「今日はもう遅い。明日の朝、日の出とともに、鳳凰騎士団を派遣する。」
「ほ、鳳凰騎士団ですか?近衛騎士団の次の戦力じゃないですか。」
「近衛兵は絶対に私の近くに置いておかなければならない。強大な魔力反応ならば鳳凰騎士団で対処できるかもしれない。とりあえず偵察隊として派遣する。いいな?」
「承りました、陛下。」
同時刻、
ノルトライセン神国神都ノルトにて
「教皇様、今日の昼過ぎ北東方向にて強大な魔力反応を魔力反応石が示しました。どうされますか?」
白い法衣を着た女性がたずねる。
「どう、とは?北東方向というとローベルク王国方面か。他国への干渉はできない。話し合いの儀を設けたいと思う。ローベルク王国の国王に手紙をやってくれ。」
「かしこまりました。そのように対処しておきます。」
同時刻
世界各国首都にて同様な状態が見られた。
「魔王の降臨か?」
「勇者の召喚なのだろうか?」
「精霊達がざわめいている。何かが起こる。」
「異界の魂を感じる…。」
それぞれのトップは混乱した。
しかし結局現状何もできることがないため、最重要項目として、目を光らせることにした。
そんな世界のちょっとした?騒動など知る由もなくケンタは今日も異世界を歩く。
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